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📚 『火喰鳥を、喰う(原浩)』
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私は北斗総一郎を心の底からかっけーーーーーーーーーーーーーーーーー………と思ったし涙ぐんだ ずるい ずるいな
語弊はあるけど、ちゃんと自分の現実を守れたんだなーーーーー……

北斗が憎いけど、それでも憎めないよーーーーー………憎めないもん………
千弥子ちゃんや北斗総一郎の視点だと、自分たちが戦って戦ってやっと勝って守れた/得られた幸せじゃんね…………
いや 北斗に関しては時系列次第というかなにが因果の始点だったのかが微妙なところだからなんとも言えないけど……でも……
ね………………
何をするにしても、「折れずにやりきったこと」それ自体がすごいことだと思ってるから……実際どうだろうと俺の現実ではこれが現実だから!!!!!!!!!!を貫けるのは強いよ

ず、ずるいよ〜〜〜〜〜〜〜!!!!!と終始叫んでいた………ずるいなぁ………
読んでいるうちに読者のこっちまでもがどんどん正気を削がれている感覚がある。ずるいな〜〜……

なんて言うか、「ミステリとカテゴライズするわけにはいかないし、かといって最初からホラー単体に分類してしまうと作品の面白さが半減されるんだろうな」みたいな部分の塩梅というか。

雄司さんが妄想だと跳ね除けた「あいつは霊能力者だから人をおかしくすることもできるはず」という言い分、
あれを飛躍した妄想だと思えるのは、これが仮にも「ミステリー小説」に分類されているからなんですよね。
これが異能力系ラノベであったり怪奇小説であったりしたならばたしかにその言い分は納得できるもので、
でも読者のこっちはあくまで「ミステリー小説」と銘打たれているのを前提に読んでいるから、そんな単純なオカルトではなく別にトリックがあると信じようとしてしまうというか。
でも実際のところは「霊能力者だからできた」だけが真実で、それを突きつけられた瞬間「ああ、これホラー小説だった」と思い出す。
ホラー&ミステリーの二枚看板を掲げているからこそ成り立つ構造だったと思うし、その運び方が綺麗だったなー……。



雄司さんの価値観によく見られた部分だし、実際自分たちにも言えるな〜〜〜…と思ったことだけど、
『不可解だけど信じざるを得ない』

『それは流石に非現実的すぎる』
の境ってどこにあるんだろうな。

どちらも非現実的という意味では同じ筈だけど、無意識のうちに、受け入れられるべきこととそうでないことの線引きを自分の主観でしてしまってる。
人に霊が取り憑くのは”理解できる話”だけれど、物に使用者の感情が宿るのは”ありえない話”。
そんな、何を基準にしてるのかもわからない価値観が恐らくは大多数にあるし、
その大多数によって”ありえない”側に振り分けられたのが夕里子さんと北斗。

人間のそういうところが好きだけど、その分類の被害者もいるんだ……。



動機が明快なようでいて不可解なところもあったり(そこまでする!?それする必要ある!?みたいな部分)、北斗と北斗の時系列や因果関係がちょっと謎だったりはするけど……
いろいろ考えられていいな。ミステリーじゃなくてホラーでもあるんだもん、解答が明確に与えられなくても楽しいタイプのジャンルだと思う。

北斗の最後の台詞が「守りたかった」ではなく「この現実を望んでた」な辺り、本来の現実は雄司生存ルートだったんだろうと思うけど……
それだけだと千弥子さんの相談に快諾してくれて事故から助けてくれて、のくだりが…… 時系列どう!?だし、そもそもあくまで元凶は千弥子さんの「生きていてほしい」「守りたい」の執念のはずだから、元ルートはこっち…… いや、うーん とはいえこっちは世界五分前仮説だし…

だめだ、これ鶏が先か卵が先かみたいな話だ!!

結論の出ないミステリー、実は好きです。
CoCプレイヤーだからかな……… 私はこの「穴があるからこそ考える余地があるふわっと感」、好きなんだよな……………。
というかもう最後のこれ 一周回ってSFじゃん!!ノリが!!欲張りセットだ!!!



楽しかった〜〜〜!

人の発狂が怖いのでSANは悉く減りました。ありがとうございました。
とりあえず、最後まで読んだあとで夕里子さんを蒸し焼きにしたことに気づいたときの北斗を読み返すと見てられなくってだめ




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