🎧 イメソン

⋙ HO3

一般人らしい面と学者らしい面とが同居したちぐはぐ躁鬱研究者。
下肢が機能障害を起こした際は人並みに絶望し、状況を飲み込むのに4日、更にショックから立ち直るのにおよそ3ヶ月半を要してから、ある日急に脳科学者らしい開き直りを見せ「今こそBMIだ！！！！！！！」と専門分野を身をもって発展させようとめちゃくちゃ元気になったものの、足が動かない以外は特に職務や生活に（BMI技術を使用すべき重篤者ほどの）支障がなかったため周囲から全力で引き止められ、元気だったところからの落差で2日くらいテンションが低かった。
上記期間を超えてからは以前と変わらず、むしろ周囲が心配になる程度に明るく過ごしている。
　
下肢に対しては「治せる手段があるなら勿論治したい」が大前提にありつつ（目標はこっち）、自身の研究分野と絡めて純粋に今の状態に興味があるために肯定的にも受け入れており、最終的に「自分の今の状態が、摂理に適ったものであるのか」だけはどうしても知りたいと思っている。

摂理に適ったものであるのならある程度は受け入れるし、人体研究の発展にも繋がるな、の気持ち。
逆に不条理だとわかれば、受け入れる受け入れないはともかく、それはそれですっきりするかも。
脳機能にしろ人の心理にしろ、この世には不条理が溢れているのでそういうこともある。


「俗に言うギフテッドと呼ばれる人間は、おおよそ英知型と2E型に分類されるが」
「いずれの場合も、背景には代謝エラーが存在している。要は、通常の個体と比べ生体内の物質になんらかの異常をきたしており」
「それが悪影響を及ぼすことなく全て良い方向に作用するのが英知型で、いずれかの機能に欠陥を齎したのが2E型。」
「厳密に言えばそれは正確じゃない、が今日の本題はそこじゃない。理解していただく分にはこの説明で結構」
「僕は、仮に僕を天才と分類するのならば、所謂英知型に分類されるのだろうと考えていた」

「だが、ご覧のように致命的な欠落を負った折、ふと考えたのだ」
「実は僕は、本来何かしらの欠陥を抱えた2Eの人間であり」
「生まれてからのこの30年、その|毒《ギフト》をたまたま免れてきた。そしてそのツケが今回ってきた──」
「才能の前借りと云うべきか、代償の後払いと云うべきか。　そう、つまりは、だ。」
「この身体的欠陥が外的要因に基づくものではなく、"後天的2E"と呼べる現象が存在するのなら。実に興味深い現象だと思わないかね」
「僕は、そういった観点から、自身の現象を肯定的に観察している訳だ」