凍えたわたしの手をとって。
どうかその手を掴まないで。
あなたの街は、一夜にして氷の世界となりました。
季節外れの大寒波が連れてきた雨は、触れるものを次々に凍らせていきます。
見慣れたあの街角も。鮮やかに咲いた公園の花も。
そして――育ち実る、美しかった果実さえも。
震える寒さの只中にあっても、人々の生活は変わらず営まれていきます。
あなたの日常もまた、寒さから隔絶されたあたたかなリビングで、
目覚めのときを待っています。
――脳裏にちらつく、かすかな違和感に目を瞑ったまま。
タイマン
Tekey使用 ¦ テキセ5時間程度
特になし