いつかの私にさようなら ver印南輝一

KPみそ  PLちぇると(印南輝一)
『いつかの私にさようなら』のリプレイになります。ネタバレとなりますので、未プレイの方は閲覧しないようお願いします。




KP:普段と変わらない日常を過ごしているあなた。

KP:コンピューター技術者としての職を得、日々デスクに向かってキーボードを叩いている。
KP:キイ、とゴムとリノリウムの擦れる音を立て、カーテンの揺れる窓辺へと寄る。
KP:なんとなく思い立って窓の外を見れば、まだ6月だというのに、真っ青な空とビルの境目にゆらゆらと蜃気楼がかかっていた。
KP:梅雨入りの発表に反してアスファルトは乾いているようだ。
KP:あっという間に夏はやってくる。

KP:――警察官の夢を諦めたあの事故から、何度目の夏になるだろうか。

KP:劈くような列車のブレーキ音を覚えている。
KP:車椅子での生活は優しい思い出ばかりでは決してなかったが、それでも今こうして生きていることを喜ばしいと思える自分がいた。
KP:そんなことをぼんやりと考えていると、突然

『Hello world!』

KP:と、女性とも男性ともつかない声が耳に入る。

KP:――気がつくと、あなたは真っ白な廊下にいた。


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クトゥルフ神話TRPG
  『いつかの私にさようなら』

             制作:けあみす副隊長様
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KP:天井も、壁も、床も。吊り下げられたシャンデリアのようなものも。
KP:目にうつる全てが均一な白一色で、まるでテクスチャを貼り忘れた3Dモデルのようだ。形やものの違いは陰影で判断するほかない。
KP:廊下の左右には扉が2枚ずつ、奥には異質な、電子的で重厚な扉がうかがえる。
KP:ここに来るまであなたは、いつもと変わらない日常を送っていたはずだ。
KP:これは、映画のフィルムをちぐはぐに切ってつなぎ合わせたような。唐突で一瞬の出来事。
KP:この不可解な現象に遭遇したあなたはSANチェック0/1。
印南 輝一:「……夢でも、みているのか…?」

 印南 輝一:CCB<=70 【SANチェック】
 Cthulhu : (1D100<=70) → 52 → 成功


KP:えらい!!
印南 輝一:やったね
KP:直前の記憶を手繰ると、やはりなんてことのない日常を過ごしていたことがわかる。
KP:しかし動揺しているのだろうか、それらは液晶モニターを一枚挟んだように、現実感が薄いものだった。
KP:背後はすぐ壁になっている。あなたは、ここを調べる以外に帰り道は無さそうだと理解できるだろう。
KP:ここでマップを開示します!
印南 輝一:はーい
印南 輝一:あのね
KP:いま印南くんはこのあたりにいますね。
KP:はい
印南 輝一:このマップの出し方
KP:うん
印南 輝一:めちゃくちゃすき
KP:照れちゃった………
印南 輝一:画面おっしゃれーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
KP:やった~~~~~~~!!!!!
印南 輝一:ディスプレイの向こう側感する
KP:わかる………
KP:ではコンピューター技術者の印南くん
印南 輝一:はい
KP:あなたは知っているだろう。『Hello world!』とは、「画面上に文字列を出力する」という非常に簡単なプログラムで使用される文字列だ。
KP:新たなプログラミング言語を習得する場合、ほとんどがこのプログラムを最初に製作する。
印南 輝一:そうね
KP:そのため「世界一有名なプログラム」と呼ばれることもあるようだ。日本語のプログラムでは『こんにちは世界』が用いられることもある。
KP:と、いうわけでここから探索開始となります!
印南 輝一:「…まるでプログラミングのようだ。仕事中毒になった覚えはないのだけれども…」
印南 輝一:とぼやきつつ、車いすを動かして…そうだな、廊下には何かめぼしいものはありますか?
KP:そうですね、廊下自体には特になにもありません。真っ白な空間だという印象を抱く程度でしょう。
印南 輝一:照明もなく、明るい感じですかね?
印南 輝一:まぶしい?
KP:そうですね、光源はわかりませんが比較的明るいです。まぶしいというほどではありませんね。
印南 輝一:なるなる
印南 輝一:「ここは、どこだろうか。
死後の世界?いやいやまさかね。死ぬ予定も予兆もなかったし。
それに、まだ僕はやるべき正しいことを成し遂げられていないのだから、そう易々と死ねないな」

印南 輝一:というわけでとりあえず、1の扉の前へ移動します
KP:OK!
KP:1の部屋の扉の前に立つ。
KP:アンティーク調の装飾が施された扉。しかし、これらもノブや枠に至るまで同じ質の白一色で、装飾はほのかな陰影でしか判断できない。
KP:目星をどうぞ!
印南 輝一:はーい!がんばれいなみ!

 印南 輝一:CCB<=70 【目星】
 Cthulhu : (1D100<=70) → 28 → 成功


KP:かっこいいぞ!!
印南 輝一:やったね
KP:では、扉には目線のあたりに0と1の羅列が浅く掘られているのがわかる。何を示しているのかまではわからないが、二進数だとわかっていいだろう。
KP:コンピューターにクリったら読めます。
KP:10111101111100011011100011001011
印南 輝一:お、ここは技術者としての見せ所だぞ
印南 輝一:がんばれいなみん
印南 輝一:「…これは、二進数、か…?」

 印南 輝一:CCB<=77 【コンピューター】
 Cthulhu : (1D100<=77) → 62 → 成功


印南 輝一:うんおしい!
KP:出目はいいね!おしい!
KP:では書かれている内容までは読めません。扉は以上
印南 輝一:「流石にパッとはよめないか。まだまだ勉強不足だな」
印南 輝一:じゃあ次は2の部屋の扉いきます
KP:お、なるほど。では2の部屋です。こちらの扉にも同様に数字が掘られていますね。
KP:11001001110000101011110010111100
KP:コンピューターチャレンジどうぞ
印南 輝一:これはあれだな?全部のとびらにあるな?

 印南 輝一:CCB<=77 【コンピューター】
 Cthulhu : (1D100<=77) → 81 → 失敗


印南 輝一:おしいね
KP:さっきのより難しいなと思った。
印南 輝一:「…む……んー…これは……わからないなぁ…」
印南 輝一:よし続いて3だ
印南 輝一:ぜんぶいくぞーーーーー
KP:フフ、全部の扉から回るのえらいですね
KP:では3の部屋。こちらも同様だ。

KP:10110101111011111011010011010110
KP:ロールどうぞ!
印南 輝一:次くらいはよめるんとちゃうか

 印南 輝一:CCB<=77 【コンピューター】
 Cthulhu : (1D100<=77) → 89 → 失敗


KP:だんだん出目が高くなっているのでは?(名推理)
印南 輝一:「…あぁ、あの案件…納期が迫っていたなぁ…。
数字の羅列ばかりみていたら余計なことを思い出してしまった…」

印南 輝一:しゃあないしゃあない 次がんばれ
印南 輝一:4いきます
KP:OK!4の部屋も同じく数字が掘られています。
KP:10111111111001011100000111100101
KP:これは……読める!!!!
印南 輝一:うおおおおおおおおおおおよむぞーーーーーーーーーーーーー
KP:いっけーーーーーーーーーーーーー!!!

 印南 輝一:CCB<=77 【コンピューター】
 Cthulhu : (1D100<=77) → 24 → 成功


印南 輝一:おしい
KP:出目は今までで一番いい………
KP:二進数、がんばれば読めそうだ。という希望を持ちました。
印南 輝一:「…帰ったら二進数に関して勉強しなおす必要がありそうだ」
印南 輝一:「さて、ふむ…どうしようかな」
印南 輝一:奥の部屋の扉はいかがでしょ
KP:ふむふむ、では奥の扉の様子も窺います。
KP:この扉は他とは違い近代的な、例えるならば電子ロック式金庫の扉のような印象の、重おもしく背の高い扉だ。
KP:取っ手のすぐ隣には鍵穴とモニターが取り付けられている。
KP:あなたが近づくとモニターが起動し、ホログラムのキーボードが中空に投影される。
KP:モニターには『パスワードを入力してください』という一文が表示されていた。
KP:以上
印南 輝一:「おぉ…?」
印南 輝一:「ぱすわーど」
印南 輝一:「いわゆる脱出ゲームみたいなものかな、これは。
ならば今は闇雲に入力すべきではないな。
このゲームを作ったものに敬意を払うべく、全て調べてからまたこよう」

印南 輝一:というわけで1の部屋にごごごご
KP:OK!
KP:では再び1の扉の前へやってきた。入りますか?
印南 輝一:では一応聞き耳っても?
KP:どうぞ!

 印南 輝一:CCB<=60 【聞き耳】
 Cthulhu : (1D100<=60) → 42 → 成功


KP:えらい!
KP:では、中に人の気配が感じられないとわかる。
印南 輝一:「…仕掛け人の気配はない、か」
印南 輝一:ゆっくり扉を開けます
KP:わかりました。


1の部屋
KP:壁一面と部屋の中央に本棚が置かれた部屋。
KP:入ると、奥に一脚の椅子と丸いローテーブルがあるのがわかる。
KP:本棚も、そこに収められた本も、部屋を構成するすべてが白一色で、まるで色彩というものを無くしてしまったかのようだ。
KP:本のタイトルはエンボス加工されているようで、凹凸でタイトルがわかるようにはなっている。
KP:描写は以上
印南 輝一:「…ふむ」
印南 輝一:「白を基調にしたコーディネートはいいセンスだ。僕は好きだな。」
印南 輝一:本棚いこうかな
印南 輝一:「わざわざ加工してあるのか…。手が込んでいるな」
KP:わかりました!
KP:本棚を調べるなら、その蔵書が『心理学』『哲学』『宗教』『フィクション作品(絵本・小説・詩集)』に偏っていることがわかるだろう。
KP:丁寧に分類され、五十音順にきっちり並べられている。
KP:図書館と目星が振れますね
KP:別情報です!
印南 輝一:「この企画のヒントかなにかだろうか」
印南 輝一:それぞれふりまーす
KP:どうぞ!

 印南 輝一:CCB<=75 【図書館】
 Cthulhu : (1D100<=75) → 59 → 成功

 印南 輝一:CCB<=70 【目星】
 Cthulhu : (1D100<=70) → 90 → 失敗


印南 輝一:ふ
KP:えらいとおしい!!
KP:では図書館情報を
KP:本棚の中から、哲学的思考実験の本が見つかる。
KP:分類や五十音順を無視して、一番取りやすい棚の一番取りやすい段に収められていたことから、この本が頻繁に取り出されていたことがわかる。
KP:読みますか?
印南 輝一:読みましょう
KP:OK!ちょっと長いです。内容は以下

【哲学的思考実験集】

<水槽の脳>
「あなたが体験している世界が実は、水槽に浮かんだ脳が見ているバーチャルリアリティなのではないか?」という仮説。
ヒラリー・パトナムによって定式化。タンクの中の脳、水槽の中の脳、培養液の中の脳などと訳される。
とある科学者があなたの脳を取り出し、脳が死なない特殊な培養液で満たした水槽に入れる。脳の神経細胞を、電極を通して操作できるほど高性能なコンピューターに接続する。
おそらく普通の人間と同じように意識を持つことができるだろう。あなた自身がそうで無いと、果たして言い切ることができるのか?

<世界五分前仮設>
「世界は実は五分前に始まったかもしれない」という仮説。
バートランド・ラッセルにより提唱された。
世界がそっくりそのまま、それまで存在していなかった記憶を植え付けられた状態で五分前に構築されていたとして、それを否定することはできるのだろうか?>

<スワンプマン>
ドナルド・デイヴィッドが考案した思考実験。
沼の脇で、とある男性が不運にも落雷で死亡する。直後、沼に別の雷が落ち、どういう偶然か、落雷は沼の汚泥と化学反応を起こし、死んだ男と分子レベルで同一な生成物を生み出した。
この生成物をスワンプ・マンと呼称する。
スワンプ・マンは直前に死亡した男性と全く同一の構造を持ち、それは脳の状態を含めた完全なコピーであり、知識・記憶も死亡した男性と全く同じであるように見える。
スワンプ・マンはそのまま何事もなかったかのように、死んだ男の人生を続けていくだろう。

皆が口にする「私」とは、一体何なのだろうか。

KP:以上
印南 輝一:「これはまた…たいそうなものが…」
KP:それから、本棚に和英辞典を見つけますね。いたって普通の和英辞典です。
印南 輝一:ほほう?
印南 輝一:パラみしても普通?
KP:パラパラめくっても特におかしな点はない。誰しも一度は見たことがあるようなものだ。
印南 輝一:「パスワードにつながるかもしれない。少し拝借しよう。」
印南 輝一:今更なんだけど手荷物あるん?
KP:手荷物は見当たりません。車椅子のみですね。
印南 輝一:そっか。ならとりあえず借りていきます
KP:はい。最近の車椅子はポケットなども充実しているので、持ち歩きに不都合はありませんね。
印南 輝一:「…「私」とは何か、か。これまた難しいなぁ」
印南 輝一:「沼から出た者は「僕」と同じ考えをもっているなら、その「僕」は僕であると主張するんだろうけれど、
ここでこれを読んでいる僕はその印南輝一を否定したいところだ。」

印南 輝一:「僕は、僕だけでいい」
印南 輝一:「はは、この理論でいくとドッペルゲンガーに会うのも勘弁願いたいなぁ。」
印南 輝一:「思わず殺してしまいそうだ」
印南 輝一:椅子とてーぶるいいきますーーーなにかあります?
KP:ふむふむ、テーブルにはまるで直前までゲームを楽しんでいたような形で、一組のトランプが広げられている。

 KP:choice[ババ抜き,しち並べ,ポーカー,大富豪,ソリティア]
 Cthulhu : (CHOICE[ババ抜き,しち並べ,ポーカー,大富豪,ソリティア]) → ソリティア


KP:ソリティアをやっていたらしい。特に情報はありません!
印南 輝一:「ソリティアかぁ。学生のころよくやってたなぁ。」
印南 輝一:わはは
印南 輝一:ここはこんなもんかな
印南 輝一:2に移動しようかね
KP:はい、了解です!
KP:では2の扉の前まで来た。聞き耳を振りますか?
印南 輝一:振りますよぉ
KP:どうぞ!
印南 輝一:「ここには仕掛け人はいるかな」

 印南 輝一:CCB<=60 【聞き耳】
 Cthulhu : (1D100<=60) → 58 → 成功


KP:かっこいい………
KP:仕掛け人の気配は窺えませんでしたね。
印南 輝一:どやぁ
印南 輝一:「どこかに誰かは居ると思ったんだけどな」
印南 輝一:おじゃましまーーす
KP:ガチャリ、扉をゆっくりと開ける。


2の部屋
KP:一台のベッドと、花瓶の置かれたサイドチェストが置かれた部屋だ。
KP:天井のレールから吊るされたカーテンがベッドの周りを半周ほど囲っている。
KP:ベッドの脇に置かれた丸椅子の上には、なぜかミニカーが載せられていた。
KP:描写は以上!
印南 輝一:ほう
印南 輝一:「…まるで病室だ」
印南 輝一:「こういうのは、あまりいい思い出がないんだけど」
印南 輝一:じゃあ、まずはベッドに近づこうか
KP:OK、目星が振れます。

 印南 輝一:CCB<=70 【目星】
 Cthulhu : (1D100<=70) → 85 → 失敗


印南 輝一:こいつ目がわるいな?
印南 輝一:パソコンのしすぎだ
KP:フフ、おしいな…… 後で振り直してもいいですよ!
印南 輝一:「…」眉間を抑える
印南 輝一:じゃあ、あとでふりなおしますー
KP:過去のトラウマからか、ベッドには抵抗がある。そのせいだろうか。
KP:はい!
印南 輝一:「……はぁ、頭も、脚も痛いな
人のトラウマを刺激するなんてひどいことをしてくれる」

印南 輝一:サイドチェストいきます
KP:わかりました。サイドチェストには花の生けられた花瓶が置かれており、引き出しがひとつついている。
印南 輝一:ほー
印南 輝一:花に注目したい
KP:知識-20、または生物学でどうぞ!
印南 輝一:ではちしきで
KP:OK、がんばれ!

 印南 輝一:CCB<=65 【知識-20】
 Cthulhu : (1D100<=65) → 77 → 失敗


印南 輝一:うーーーーーーーんこの
KP:おしい……生物学もチャレンジいいですよ
印南 輝一:1だっけ

 印南 輝一:CCB<=1 せーぶつがく
 Cthulhu : (1D100<=1) → 94 → 失敗


KP:逆におしいな………
印南 輝一:毛ほど興味がない
KP:じゃあなんの花かは知らなかった。
印南 輝一:「…たくさん送られたことはあるけど、花は臭くて好きじゃない、なんていえなかったな」
印南 輝一:引き出しあけよ
KP:チェストの引き出しを開けると、中にメモが一枚入っていた。そこには
KP:『昨日がどこにもない部屋に、あってはならないものがある』
KP:と書かれている。
KP:チェストは以上!
印南 輝一:「…昨日がどこにもない、部屋…」
印南 輝一:「なんのことやら」
印南 輝一:ミニカーをみようかな
KP:ふむ、では
KP:ミニカーに触れた瞬間、あなたの視界にノイズが走る。
KP:疑問を覚えたのは一瞬で、次の瞬間には景色が白く飛んだ。
印南 輝一:「っ…!」
KP:激しく明滅する視界、鼓膜を貫くようなクラクション、衝撃と全身を駆け巡る熱に、遅れて鈍痛。
KP:頭が、
KP:胴が、
KP:腕が
KP:足が
KP:すべてが死んでしまいそうなほどに重く痛んで――
KP:あなたは意識を取り戻した。
KP:―――まるであのときのような、そんな記憶。
KP:このような鮮烈な幻覚を体験したあなたはSANチェック。0/1d3
KP:ミニカー自体にはおかしなところは見当たりませんね。

 印南 輝一:CCB<=70 【SANチェック】
 Cthulhu : (1D100<=70) → 97 → 致命的失敗


印南 輝一:あっ
KP:あら…………………
印南 輝一:おまえなぁ
KP:出目が空気読んでるのにBGMが読んでくれねえ……
印南 輝一:せっかく表情差分をwwwwww
印南 輝一:やっぱりトラウマなんだな、お前
KP:トラウマなんだな……
KP:では最大値減少します。
みそんとふ:印南 輝一のSANが3減少 (SAN:70->67)
KP:その瞬間、あなたは自分の腕や足先にノイズが走ったような錯覚を覚える。
KP:違和感を抱いたときには既にその感覚は消えており、身体にも異常などは見られなかった。
KP:以上
印南 輝一:「な、んだ…今の は」
印南 輝一:「演出…に、してはリアリティがすぎる…」
印南 輝一:脂汗を手の甲でぬぐい、改めてベッドをみたいです
KP:ふむふむ、わかりました。では再び目星をどうぞ

 印南 輝一:CCB<=70 【目星】
 Cthulhu : (1D100<=70) → 69 → 成功


KP:お、がんばった……!!
印南 輝一:えらい!
KP:えらい!では枕の下に診断書が置かれているのに気がつく。
KP:診断書は読めない箇所が多く、あまり詳しいことはわからないが、下の方に妙な文章が印字されている。

【X目 XXの診断書】
氏名:X目 XX 性別:男
生年月日:XXXX.XX.XX生
病名:XX傷、顔面擦XX、XXXX、XX脱臼、右足複X骨折、左X断X、XXXXXXXX XXXX。XXXX交通X故にて受X

『それはとつ国の言葉。日出ずる国の音なら三つ、文字なら一つか三つ』


KP:以上
印南 輝一:なんのこっちゃ
KP:なんだろうなあ
印南 輝一:「これは…診断書…?」
印南 輝一:リアルINTがしんでんねんぞ
KP:知識振ってもいいよ!
印南 輝一:お、ならいこう

 印南 輝一:CCB<=85 【知識】
 Cthulhu : (1D100<=85) → 68 → 成功


KP:えらい!!
KP:Hey, MisontoF!
みそんとふ:古来の日本で使われていた言葉ですね。都のある近畿以外を「外つ国(そとつくに)」と表記していました。
みそんとふ:そこから転じて「そとつくに」→「とつくに」と音が変化し、やがて外国のことを指す言葉になっていったようです。
KP:だそうです。
印南 輝一:み、みそんとふかしこい
KP:かしこい!!なんでも聞いていいよ(KPのINTが露呈するから限度がある)
印南 輝一:「…これはパスワードのヒントか。
パスワードはとつの国…つまり外国語…。で、それを和訳すると…この場合は…音読みか、そっちは3文字。
漢字でかくと1文字か3文字…ってところだろうか」

印南 輝一:「文字なら…というならカタカナ、ひらがなもふくまれるかな」
印南 輝一:「…とはいえ現状ではこれいじょうはわからない。
先の現象は気になるが……、今は出るのが優先だ」

印南 輝一:3へ向かいたいです
KP:OK!では3の部屋の前まで来ました。聞き耳振っていいですよ!
印南 輝一:「もしかしたらカメラで見ているだけで、人はいないのかもな」

 印南 輝一:CCB<=60 【聞き耳】
 Cthulhu : (1D100<=60) → 35 → 成功


KP:えらい!かっこいい!!
KP:では、やはりここも人の気配がないとわかります。
印南 輝一:「…僕の読みはあたっていそうだ。
…よし、ここから出たら警察にでも言おうか」

印南 輝一:中へ入ります
KP:わかりました。


3の部屋
KP:扉を開けた先は、真っ白なリビングルームのような部屋だ。
KP:入って左手に固定電話、右手には間接照明を模したであろうものが飾られている。
KP:ラグが敷かれた部屋の中央には長テーブルとソファ、テーブルにはティーポッドとカップ、茶菓子らしきものと分厚い本が置かれているようだ。
KP:描写は以上
印南 輝一:「書庫、病室、続いては居間…か」
印南 輝一:「はたして最後の部屋にはなにがあるのか見物だ」
印南 輝一:「ここまできたらまた人のトラウマをほじくるような品物が出てきそうだ。
いい趣味しているね、本当に」

印南 輝一:近場から攻めよう
印南 輝一:固定電話ごー
KP:OK!
KP:固定電話を見ると、電話線どころか電源コードすら見当たらない。
KP:なるほど、これはただのおもちゃでしかないようだ。
KP:以上
印南 輝一:「はははさっそくおちょくって来たか。これは滑稽だ」
印南 輝一:「ならばノってあげなければならないな」
印南 輝一:「もしもし」
印南 輝一:受話器に耳を当てよう
固定電話:「……………」
KP:玩具は語らない―――
印南 輝一:「返事がない、ただの屍のようだ」
KP:キャラが崩壊してきたぞwwww
印南 輝一:「なんだ、せっかく用意してある用意してあるというのにこういうところまでは手が込んでいないのか。
演出があるのかないのかの判断がつきにくいな」

印南 輝一:中の人のボロが出始めた
印南 輝一:間接照明いきますー
KP:はい!間接照明を模したようなそれ。しかし、この真っ白な部屋では意味を為していないのがわかる。
KP:こちらも特に情報はありませんね。
印南 輝一:「いいデザインだというのにもったいない」
印南 輝一:じゃあ、てーぶるにいこうか
KP:テーブルにはティーポッドとカップ、茶菓子らしきものと分厚い本が置かれています。どれを見ますか?
印南 輝一:じゃあ、本からいこう
KP:では、本を手に取り、ページをめくって気付く。
KP:これは、どうやらあなたのアルバムのようだ。
KP:ページをめくれば見覚えのある写真で埋まっていることだろう。
KP:わけのわからない空間に自身のアルバムがあるのは不気味だが、懐かしい写真の数々に頬が緩む。
印南 輝一:「…僕の、アルバムだ…」
KP:小学校の入学式、中学高校の卒業式。
KP:家族の写真に友人の写真。
KP:――まだ、自分が地に足をつけていたころだ。
KP:一ページ、もう一ページとめくっていけば、すぐに最後まで辿り着いてしまう。
KP:少し惜しい気がしてそっと頁を撫でると、滲むように文字が浮かんできた。

『それは剣と棍棒、金剛石と並ぶ、赤く濡れた心臓』

KP:驚いて思わずアルバムを投げ出し、
KP:そして、気がつく。
KP:自分の家族の顔が、思い出せなくなっていることに。
KP:奇怪な現象と思い出の喪失にSANチェック0/1d2
印南 輝一:「…っ一体なんなんだ、さっきから」

 印南 輝一:CCB<=67 【SANチェック】
 Cthulhu : (1D100<=67) → 4 → 決定的成功/スペシャル


印南 輝一:おまえ
KP:……???耐性が……?
KP:アルバムを見返すと、すべての写真が、あなた以外が真っ白になってしまっていることがわかる。
印南 輝一:「……はは、は」
印南 輝一:「なんてことはない、大丈夫、僕は大丈夫」
印南 輝一:「帰ってから、思い出せばいい」
印南 輝一:「まだ生きているんだから、どうとでもなるさ」
印南 輝一:すこし深呼吸してあらためてアルバムをみたいですが、追加はあります?
KP:はい、特に追加などはありませんね。自分以外が真っ白になっているのみです。
印南 輝一:「昨日がどこにもない、は、これを指すのだろうか。…他も調べよう。早く帰って頭を休めたい」
印南 輝一:じゃあ、てぃーせっとを
KP:ふむふむ
KP:真っ白なティーセットだ。カップもソーサーも、どちらも手になじむ陶器でできている。
KP:ティーポッドの中には牛乳のように真っ白な液体が入っているが、匂いはどう嗅いでも紅茶である。
KP:以上
印南 輝一:「白い紅茶か」
印南 輝一:「どういう仕組みなのかさっぱりだけれど、飲む気にはならないな」
印南 輝一:次、おかしー
KP:茶菓子。見た目や質感はまるで紙だが、形はせんべいだ。
KP:手に取ると温かく、手作りであることと、調理してからそう時間が経っていないことがわかる。
印南 輝一:「…おせんべいだ…
なんで紅茶におせんべいなんだろう」

印南 輝一:「…いくら出来立てだろうと食べる気はまったく起きないなぁ。
こんな状況で飲み食いしたくはない」

印南 輝一:「…ふむ。中から何かヒントが出たりとかはあるんだろうか。皿の下は?」
KP:皿の下、なにもないですね。
印南 輝一:せんべいを割ったり、紅茶とかせんべえがのってたであろうお皿をひっくりかえしたい
印南 輝一:あれ、ないのか
KP:これはかずはKPの物真似です。ないね
印南 輝一:実はね、かずはKPにお世話になったことあるの1回だけなんだぜ
KP:フフ、絶対似てるからねこれ!
KP:メモの裏、なにもないですね。 って言う
印南 輝一:スクショ取ってあとでみせてあげなよ
KP:草
KP:3の部屋はこのくらいです!
印南 輝一:ほいほい
印南 輝一:じゃあ、4にいこう
印南 輝一:キィキィ(車いす)
KP:はい。では4の部屋へ車椅子を押して向かう
KP:扉の前、聞き耳どうぞ!
印南 輝一:「ここまで来たら無音だろう」

 印南 輝一:CCB<=60 【聞き耳】
 Cthulhu : (1D100<=60) → 16 → 成功


KP:えらい!
KP:では、扉の奥から、何か機械音のようなものが聞こえてきます。
印南 輝一:いなみん、耳はいいね
印南 輝一:「……おや」
印南 輝一:「……ここが、仕掛けの制御室か?」
印南 輝一:入ろう
KP:わかりました。


4の部屋
KP:廊下と変わらない無彩色の一室。入ってすぐ目の前に、真っ白なパイプ椅子に乗せられたラジカセがある。
KP:部屋の奥には大量の容器が無造作に置かれているようだ。
KP:あなたが部屋に入った瞬間、ラジカセがかすれた音で、

昨日はどこにもありません
あちらの箪笥の抽出しにも
こちらの机の抽出しにも
昨日はどこにもありません

それは昨日の写真でせうか
そこにあなたは立つてゐる
そこにあなたは笑つてゐる
それは昨日の写真でせうか……

KP:と、一編の詩を繰り返し始めた。
KP:知識をどうぞ。

 印南 輝一:CCB<=85 【知識】
 Cthulhu : (1D100<=85) → 13 → スペシャル


印南 輝一:知ってた
KP:かっこいい!
印南 輝一:「…どこかで、聞いたことのある詩だ」
KP:ではあなたはその詩が、昭和の抒情詩人、三好達治の『昨日はどこにもありません』という全28行の詩の、冒頭8行であることがわかる。
印南 輝一:「あぁ、そうだ。思い出した。三好達治の『昨日はどこにもありません』だったかな」
印南 輝一:「ここが、昨日がどこにもない部屋、なんだな」
印南 輝一:ラジカセに近づこう
KP:ふむふむ、では目星をどうぞ!
印南 輝一:お?
印南 輝一:大丈夫か?見えるか?

 印南 輝一:CCB<=70 【目星】
 Cthulhu : (1D100<=70) → 77 → 失敗


印南 輝一:みえないな!!!!!!!!!
KP:目星苦手だな???
印南 輝一:目を酷使する仕事だからね
KP:ではラジカセには特におかしな点は見られなかった。目の疲労もあるだろう、真っ白な部屋は色のついた光景よりも視力を要するものだ。
印南 輝一:「…いやだな、ここにきて疲労が出てきたか…」
印南 輝一:あとで見直せます?
KP:そうですね、いいですよ!
印南 輝一:ありがとう!
印南 輝一:じゃあ、容器にいく
KP:OK
KP:奥に大量に置かれている白い容器を見る。
KP:材質まではわからなかったが、それは水槽を模しているもので、中には白い液体がなみなみと注がれている。
KP:また、どの水槽にも英単語が刻まれている。
KP:『Monday』から『Sunday』、『January』から『December』、『Tomorrow』『Today』『Yesterday』の計22個のようだ。
KP:以上!
印南 輝一:「…昨日、があるな」
印南 輝一:いえすたでーに目星できます?
KP:ふむふむ、いいですよ。どうぞ!

 印南 輝一:CCB<=70 【目星】
 Cthulhu : (1D100<=70) → 60 → 成功


KP:かっこいい!!
KP:『Yesterday』と刻まれた金魚鉢をしばらく観察していると、水面がパチャリと音を立てる。
印南 輝一:ようやく見えたね、えらいよ
印南 輝一:「……ん…?」
印南 輝一:「いま、何か…」
印南 輝一:指で金魚鉢つついてみよう
印南 輝一:こんこん
KP:ふむ、コンコンとつついてみますが、特に変化などはありませんね。
印南 輝一:「………思い切って割ってしまおうか」
印南 輝一:「けれどいきなりそんなことをするのは正しくない。まだましな選択をしようじゃないか」
印南 輝一:「とはいえこういう状況だ。
奇行に走っても誰もとがめはしないだろうが」

印南 輝一:これまでに容器っぽいのなかったもんなぁ
KP:容器っぽいのはなかったなぁ
印南 輝一:じゃあ、そうだなぁ
印南 輝一:「これも致し方ない。暴力的でスマートじゃないが、ヒントに従うとしよう」
印南 輝一:金魚鉢を壊してみたいです
KP:お、どうやって壊しますか?
印南 輝一:投擲しよう
印南 輝一:壁に
KP:なるほど、いいでしょう。水を被りそうなので-10でどうぞ。
KP:失敗しても壊せますが、水はかかります。
印南 輝一:にゃーん

 印南 輝一:CCB<=45 【投擲】
 Cthulhu : (1D100<=45) → 8 → スペシャル


印南 輝一:ふ
印南 輝一:流石
KP:!??かっこよ………
印南 輝一:「そー、っれ、っと」
KP:あなたは壁に器用に金魚鉢を叩きつけた。
印南 輝一:「バスケットボールと違って投げにくいな」
KP:金魚鉢を破壊すると中から水が溢れ、一匹の真っ赤な金魚が滑り落ちる。
KP:金魚はしばらく口をパクパクと開閉するものの力つき、その死骸はとろけて、後にはハート型の持ち手の、小さな鍵が残されるばかりだった。
KP:この金魚に愛着があったわけではない。
KP:しかしなぜだろう、その光景は不思議と、いやに悲しく思えた。
KP: 
KP:鍵を拾い上げるとラジオの音声がブツッと音を立てて飛ぶ。

……いいえ悲しくありません
何で悲しいのでせう
昨日はどこにもありません
何が悲しいものですか

昨日はどこにもありません

そこにあなたは立つていた
そこにあなたは笑つていた
昨日はどこにもありません

KP:そこまで読み上げて、ラジオは止まった。
KP:以上
印南 輝一:「……また、詩か」
印南 輝一:鍵を拾い上げるぞー
KP:はい、ではハート型の持ち手がついた鍵を手に入れます。
印南 輝一:「…やけにファンシーな鍵だ」
印南 輝一:改めてラジオに目星したいです
KP:いいですよ、どうぞ!

 印南 輝一:CCB<=70 【目星】
 Cthulhu : (1D100<=70) → 56 → 成功


印南 輝一:良い子だ
KP:えらい!
KP:では、ラジカセには特に変わったところはないが、そのラジカセの置かれている椅子。
KP:その椅子の背もたれの部分に、文が刻み込まれているのを見つける。

『それは五つの音素からなる。二つ目をなくせばそれは雄鹿。最後をなくせばそれは聞こえる。』

KP:と、ありますね。
印南 輝一:鹿…?
印南 輝一:deer…?
印南 輝一:いや、雄鹿か
印南 輝一:英語辞典で調べられません?
KP:いいですよ!では雄鹿を和英辞典で調べます。
印南 輝一:Heyみそんとふ!
みそんとふ:[名]雄鹿 hart
KP:呼んでくれてありがとう!!!
印南 輝一:hart?
KP:あ、ちなみに
印南 輝一:最後を無くせばそれはきこえる…?
みそんとふ:[名]鹿(全般) deer
印南 輝一:うん
KP:最後をなくせばそれは聞こえる
印南 輝一:聞こえる…hear?
KP:お……?
印南 輝一:「…パスワードは…heart、か?」
印南 輝一:「日出ずる国の音…、こころ、」
印南 輝一:「カタカナもひらがなも3文字、漢字では心の一文字…」
印南 輝一:「赤く塗れた心臓とも合致するが…剣…棍棒…金剛石…とは」
印南 輝一:「剣…ソード…棍棒は…クラブ、金剛石…ダイヤかな」
印南 輝一:「なるほどトランプ」
印南 輝一:「これでパスワードはあってるかな」
印南 輝一:ということで入力しにごー
KP:OK!
KP:では再び突き当たりの扉へ。
KP:鍵穴と、パスワードを入力するモニターがある。
印南 輝一:では、先ほどの鍵をぶっ刺して、パスワードを「heart」と入力
KP:ふむふむ、では鍵を挿してパスワードを入力する。
KP:すると、モニターに 『Unlocked.』 と表示され、ガラスが砕けるような澄んだ音が響く。
KP:ガシャガシャと扉内部から機械の動作音が聞こえたかと思うと、自動でドアノブが回転して扉が開いた。
KP:扉の先には長いスロープが続いているのが見える。
KP:進みますか?
印南 輝一:「…正解、だったわけだ」
印南 輝一:進もう
KP:わかりました



KP:——気が狂いそうなほどに長い、白いスロープが続く。
KP:キイ、キイ。
KP:車椅子を腕で漕ぎながら、螺旋になっているスロープを、ただひたすらに上っていく。
KP:床と擦れる車輪の音すら単調なリズムに飲み込まれて、
KP:あなたがスロープを上り始めたことを後悔し始めた時、
KP:巨大な観音開きの扉が視界に入った。

KP:見上げるほど背が高い観音開きの扉。装飾の類はなく、ドアノブも見当たらない。
KP:しかし、あなたが扉の前に立つと、目線の高さに掘られた
『10111111101111111011110011000010』
KP:という文字列が淡く光り、ゆっくりと扉が開く。


KP:扉の中は円形の部屋だ。
KP:中央にあるバーテーブルと、その上に置かれたノートパソコン以外、何一つ家具はない。
KP:壁には青白く輝く0と1の羅列が、滝のように流れている。
KP:描写は以上です。
印南 輝一:「…なん、だ…、ここは…」
印南 輝一:「まるで、まるでデータの中だ」
印南 輝一:周りを見渡しながらPCに近づきたい
KP:わかりました。周囲に人影はなく、ただ数字の滝が流れているのみだ。
KP:ノートパソコンは既に起動されていて、トップ画面に二つのフォルダだけが表示されている。
KP:フォルダのタイトルは <ニンゲン特有機構『ココロ』報告書> と <仮想人格α観察記録及び仮想人格運用による『ココロ』証明実験> だ。
KP:読みますか?
印南 輝一:はい
KP:わかりました。


【ニンゲン特有機構『ココロ』報告書】

「当報告書は、ニンゲンが保有しているとされる不可視にして不可触な機構、『ココロ』に関する調査結果をまとめたものである。」


KP:という書き出しのレポートのような書類。摂食時、睡眠時、果ては呼吸時なんてものまで、事細かに分類された項目がずらずらと並ぶ。
KP:どの項目も、あなたどころか、どれ程偉大な学者でも、人間である限り理解できないであろう複雑な数式やグラフの数々が並び、難解な文章が綴られている。
KP:そのまま、途方もなく長い書類をスクロールしていくと、一番最後の項目が、そこに書かれていた名前がやけに目に付いた。

▼素体:切目紅墨の利用による、『ココロ』保有箇所特定のための実験計画

20XX.XX.XX(おとといの日付) 22:46
交通事故により提携病院に搬送、ニンゲンの医療技術では蘇生不可能な個体:切目紅墨(きりめくすみ)を実験素体として譲り受けた。
これを利用し、『ココロ』保有箇所特定及び『ココロ』解明の為の実験を提唱。計画は以下の通り。
1.素体:切目紅墨を実験可能な状態まで修復
2.『ココロ』保有予測部位に電極を刺し、量子コンピューターに接続。これまでの調査で使用したサイコグラフでモニタリングを開始。
3.電極から生体電気に干渉。サイコグラフの変化から『ココロ』保有箇所を特定。
4.『ココロ』保有箇所からコンピューターに人格データをコピー。当該データから基本パーソナルデータ・記憶・趣向を削除。
  なるべく素体:切目紅墨とかけ離れたデータを入力。マザーコンピュータの演算補助を受け、仮想人格αを制作。
5.仮想人格αにランダム生成したイベントをインストール。仮想人格αの独立思考と自己改造を促す。

20XX.XX.XX(昨日の日付) 0:00
実験計画承認。ブラッシュアップを行った上で、実験名称を【仮想人格運用による『ココロ』証明実験】に変更。
仮想人格αの観察記録と共に、別個フォルダにまとめる。



【仮想人格α観察記録及び仮想人格運用による『ココロ』証明実験】

▼仮想人格運用による『ココロ』証明実験正式実行手順

1.素体:切目紅墨を実験可能な状態まで修復
2.『ココロ』保有予測部位に電極を刺し、量子コンピューターに接続。これまでの調査で使用したサイコグラフでモニタリングを開始。
3.電極から生体電気に干渉。サイコグラフの変化から『ココロ』保有箇所を特定。
4.『ココロ』保有箇所からコンピューターに人格データをコピー。当該データから基本パーソナルデータ・記憶・趣向を削除。
  なるべく素体:切目紅墨とかけ離れたデータを入力。マザーコンピュータの演算補助を受け、仮想人格αを制作。
5.仮想人格αにランダム生成したイベントをインストール。仮想人格αの独立思考と自己改造を促す。
6.仮想人格αの自我確立が観測され次第、ニンゲンの常識を参照した 『異常』 な部屋モデルを製作。
  この実験に関する資料と、仮想人格αの探索行動を誘発するギミックを設置し、仮想人格αを投入する。
7.仮想人格αが指定ファイルの回収を終えた時点で、XXXXXXXXXXXXXXX。
8.XXXXXX、『XX:XXXXXXXXXXXXXXXXX』『XXXXXXXXXXXXXX』XXX、XXXXXXXXX、XXXXXXXXXXXX。


▼仮想人格α観察記録

20XX.XX.XX(昨日の日付) 1:34
提携した病院より譲渡された素体:切目紅墨の脳とコンピューターを利用し、
素体:切目紅墨をベースに、仮のパーソナルデータと趣向を与えた、仮想人格α(個体識別名:印南輝一(いなみあきひと))を制作。
マザーコンピュータにて演算補助を行い、電脳空間にてニンゲンと同様の心理的成長が可能かを実験開始。
以後、最優先観察対象として記録する。

20XX.XX.XX(昨日の日付) 22:57
実験開始から21時間23分。個体:印南輝一は我々の予測を遥かに上回るペースで独自の自我データの生成と自己改造・進化に成功。
素体:切目紅墨との思考ルーチン一致率は38%、ストレス実験による情動一致率は現段階で20%を下回っており、もはや別個体と言って差し支えはない。
『ココロ』証明実験最終フェーズへの移行は、個体:印南輝一の年齢設定が23歳に到達する、翌日0:00より開始とする。

20XX.XX.XX(本日の日付) 0:00
『ココロ』証明実験最終フェーズに移行完了。個体:印南輝一を特殊プログラム『マリーの部屋』に転送。
本フェーズにおける個体:印南輝一の決断とそれに至るまでの行動データをもって、本実験を終了する。



KP:あなたは、自身のアイデンティティを根幹から揺るがす衝撃的な事実にSANチェック1/1d6。
印南 輝一:「…まて、」
印南 輝一:「まってくれ、なんだ、これは」
印南 輝一:「これじゃあ、まるで、僕は、」

 印南 輝一:CCB<=67 【SANチェック】
 Cthulhu : (1D100<=67) → 27 → 成功


KP:えらいね
みそんとふ:印南 輝一のSANが1減少 (SAN:67->66)
印南 輝一:「僕が、プログラムみたいじゃないか」
印南 輝一:えらいね
KP:どちらのフォルダも読み終えると突然、

???:「真実にたどり着いたことを歓迎しよう、観察個体:印南輝一」

KP:という、女とも男ともつかない声が聞こえる。
印南 輝一:「ッ誰だ…!」
KP:突然かけられた声に反応してあなたが顔を上げると、パソコンの向こう側、つまりあなたの正面に人影がある。
KP:その影は大きなフードつきローブに、かさばる手袋とゴツゴツしたブーツを身につけている。
KP:わずかながらも肌が露出している部分は、青いモザイクがかかっていて、声も相まって老若男女の判別がつかない。
KP:その人影はあなたが自身を認識したことを把握すると、淡々と語り始める。
ヤディスの住人:「我々は惑星『ヤディス』の住人。君たちニンゲンの言葉を借りるなら地球外生命体、すなわち宇宙人だ。そして、この実験の計画・実行を行った存在でもある」
印南 輝一:「や、でぃす…」
ヤディスの住人:「ニンゲンは不可解な知的生命体だ。圧倒的大多数の個体が、『ココロ』なる不可視にして不可触の機構の存在を認知し、己がそれを持っていることを疑わない」
ヤディスの住人:「あまつさえニンゲンはその機構によって思考が制限され、人格が決定され、理不尽かつ非合理的な行動を取る」
ヤディスの住人:「ワタシを含む数名のヤディスの住人は、『ココロ』なる機構に知的好奇心を抱いた。」
ヤディスの住人:「検証を繰り返し、残る研究項目が『ニンゲン特有機構:ココロが存在するのはどの部位・臓器か?』のみになった時、素体:切目紅墨の交通事故に遭遇した」
印南 輝一:「……」
ヤディスの住人:「我々は瀕死の素体:切目紅墨を回収、肉体を再生して実験にとりかかった。」
ヤディスの住人:「各機構『ココロ』保有予測部位に電極を刺してコンピュータに接続、生体電気に干渉した反応から、機構保有部位の特定を試みた」
KP:そうヤディスの住人が言うと、奥の壁にある映像が投射される。
KP:それはあなたと全く同じ容姿をした人物が、ぐったりと椅子に身を預けた姿だ。
KP:やや粗い映像だが、あなたにはそれでも十分だった。
KP:十分に、分かってしまった。

KP:彼の頭蓋が開かれ、露出した脳に何本もの電極が突き刺されているのが。

KP:SANチェック1/1d6

 印南 輝一:CCB<=66 【SANチェック】
 Cthulhu : (1D100<=66) → 69 → 失敗


印南 輝一:お
印南 輝一:発狂チャンス
KP:がんばれ!
印南 輝一:こいこい

 印南 輝一:1d6
 Cthulhu : (1D6) → 2


印南 輝一:そういうところだぞ
KP:えらい!
みそんとふ:印南 輝一のSANが2減少 (SAN:66->64)
KP:フフ
印南 輝一:「…あれ、は、僕か…?」
KP:あなたの動揺を意に介さず、ヤディスの住人は語り続ける。
印南 輝一:「なん、だ、なんだよ、この状況は」
ヤディスの住人:「厳密には個体:印南輝一ではないな」
ヤディスの住人:「反応があったのは大方の予想通り、脳に電極を使用したときであった。生体電気、コンピューター、そして機構『ココロ』。」
ヤディスの住人:「この三つの相互作用により、電脳空間にて仮想人格α……つまりワタシの目の前にいる個体:印南輝一、君を生成した」
ヤディスの住人:「この電脳空間での個体:印南輝一の探索が終了した事により、自我の確立と機構『ココロ』の発現要因を確認。最終フェーズに移行した実験は、君の選択を持って終了する」
印南 輝一:「…僕の、選択」
ヤディスの住人:「その通りだ。 全ての事実を知った上で、個体: 印南輝一に問おう」
印南 輝一:「…なんだ」
ヤディスの住人:「君がそのプログラムを使用すれば、即座に素体:切目紅墨に刺した電極が脳に干渉。自我データを個体:印南輝一のものに書き換える」
KP:ヤディスの住人が指差した方にはホログラムの脳と、幾つものウィンドで構成された槍のようなものが中空に浮かんでいる。
ヤディスの住人:「素体:切目紅墨の自我データを残したいなら、そこのプログラムを使うといい。個体: 印南輝一は完全に消去される」
KP:促されるままに視線をバーテーブルに戻すと、こちらも、幾つものウィンドで構成された銃のようなものが、パソコンの代わりに置かれていた。
ヤディスの住人:「素体:切目紅墨はニンゲンの社会において、すでに死んだものと扱われている。しかし、肉体は我々の技術を持って完全に再生させた」
ヤディスの住人:「個体:印南輝一のパーソナルデータは我々が製作した仮想人格だ。しかし、君は自己改造と学習の結果、独自のエゴを獲得するに至った」
ヤディスの住人:「我々にも『治験』という概念がある。実験に協力してもらった以上、報酬として、君の選択に対するアフターケアは万全に行うことを約束しよう」

ヤディスの住人:「個体:印南輝一の選択を要求する。我々の知的好奇心の充足は、それだけで達成されるのだから」

ヤディスの住人:「しかし、何かしらの質疑があるのなら答えよう。この日本において、被験者に対する説明は義務であったと認識している」
印南 輝一:「は、はは、」
KP:そう言い切ると、ヤディスの住人はあなたの言葉を待とうとする。
印南 輝一:「悪趣味極まりない趣味だ…」
印南 輝一:「僕が、今まで経験した記憶も体験もなにもかも偽物で、」
印南 輝一:「ましてや、この自我も、君たちがつくったものだって?」
印南 輝一:「信じたく、ないなぁ…」
ヤディスの住人:「最後の言葉については否定しよう。データを作り上げたのは我々だが、そこから自我……素体:切目紅墨とは異なる自我を生んだのは君自身だ」
印南 輝一:「……僕自身、ね」
印南 輝一:「折角、作るなら、あんな事故なかったことにして、ちゃんと足も動くようにしてほしかったよ」
印南 輝一:皮肉を言いながら車いすを動かします
印南 輝一:「誰が、何と言おうが」
印南 輝一:「なにが真実だろうが、知ったことか」
印南 輝一:「僕だけが僕だ」
ヤディスの住人:「それはできないな。その身体も事故の経験も、間違いなく素体:切目紅墨も持っていたものだ」
ヤディスの住人:「なるほど。他に質問はあるかね?」
印南 輝一:「…アフターケア」
印南 輝一:「万全に行うといったね?」
ヤディスの住人:「ああ。望みがあるならば聞こう」
印南 輝一:「この僕が覚えている限りの、元の生活に戻してほしい」
印南 輝一:「あの日常に、返してくれ」
印南 輝一:「特別なんてなにもいらない」
ヤディスの住人:「それは当然だ。君が望むのならば、君の記憶している生活を送ることができると保証しよう」
ヤディスの住人:「我々の技術力を用いて戸籍データの捏造、および周囲のニンゲンに対する記憶操作を行う」
印南 輝一:「…そうか」
印南 輝一:「なら、いい」
印南 輝一:「迷いはない」
印南 輝一:「最初から、僕は「生きる」ためにこの手でここまで来たんだから」
印南 輝一:槍の方へ向かいます
ヤディスの住人:「——ふむ。つまり君は、素体:切目紅墨の本来の人格を殺害してでも、仮想人格である己を生かしたいのだね?」
ヤディスの住人:「ああ、なに。純粋なる知的好奇心だ。『フユカイ』だったのなら謝意を示そう」
印南 輝一:「気にしなくていい」
印南 輝一:「僕は、そういう人間だ」
印南 輝一:「生きるためなら、なんだってする」
印南 輝一:「それが、正しくないことだとしてもだ」
ヤディスの住人:「了解した。貴重な実験データの提供に感謝する」
印南 輝一:「…どういたしまして」
KP:それでは、槍のプログラムを使って「印南輝一」として生きますか?

印南 輝一:「…これが、「印南 輝一」としての、正しい答えだ」

印南 輝一:プログラムを使用します
KP:わかりました。



KP:あなたが槍を手に取りホログラムの脳に突き刺すと、そこから0と1で構成されたコードが吹き出し、あなたを飲み込む。
KP:瞳を焼く青白い閃光に、思わず目を閉じる。

KP:次に目を開くと、そこはあなたの思い描いた通りの、あなたの部屋だった。

KP:妙な夢をみた。
KP:真っ白い部屋を巡ったさきで、自身が仮想人格であり、この身体は別の人間のものだと、得体の知れない存在に告げられる夢。
KP:ゆっくりと手を握り、開く。そこにノイズが走ることはない。
KP:その事実にホッとするも、漠然とした不安は以前拭えない。

KP:果たして自分は、本当に。疑いようも無く自分なのだろうか?

KP:あなたは布団から抜け出し、朝の支度を始める。
KP:すっかり車椅子での生活に慣れてしまっていた。これは自分の身体が覚えている記憶なのだろうか。
KP:……しかし。この不安も、そう時間が経たないうちに、思い出すことすらできなくなっているだろう。
KP:だから今流れている、おととい深夜の交通死亡事故のニュースは見知らぬ人間のものに決まっている。
KP:無意識に流れる涙は気のせいで、どうしようもなく押し寄せる悲しみと後悔は錯覚なのだ。


KP:——そうしてあなたは、いつか自分だった人に 「さようなら」 を告げた。




クトゥルフ神話TRPG
  『いつかの私にさようなら』

             制作:けあみす副隊長様
                      エンド-α