scroll

冀望の山脈





白い帆船で迎えた朝は、まばゆいばかりに輝くばら色の朝日によって迎えられた。
目の前には色鮮やかで美しい、新緑と木々に覆われた大地があった。
きらきらと輝く白い尾根や、風変わりな寺院がそこかしこに見えている。

その中にあなたは、自分が忘れたはずのものを見た。
それはあるいは壮麗な幻想、あるいは反吐を伴う悪夢、あるいは胸を刺す郷愁だった。
あなたは自分が、何か大事なものを忘れているのだと、はっきりと自覚する。
今目の前に見、取り戻したのは、その一部分にすぎないのだ。

それが自分にとって必要なものなのかはわからない。
しかしそれはたしかにかつて、あなたの一部分だった。


頬髭を蓄えた、帆船の船長は言う。
帆船の船長:「頼まれたとおり、ウスロスの季節にザクにやってきた」
帆船の船長:「もしザクの地に降り立ち、その都市ザルに向かい記憶の全てを取り戻したいならば、船を降りるといい」
天ケ瀬 茜:「あ、ありがとうございます」
天ケ瀬 茜:「船長は、どんな所かご存じなんですか?」ザク……
帆船の船長:「…過去に、一度だけ降りたことがある。もう降りることはないだろうな」
帆船の船長:「わざわざここへ来るからには、ザクという地のことは少なからず知っているんだろうが…」
帆船の船長:「ここには、人々の記憶が眠る。日々の些細な記憶から、なんらかの理由で失われた大事な記憶」
帆船の船長:「それから、長い歴史の中で人々に忘れ去られていった神々もここにいる。……そう言われている」
帆船の船長:「言わば、墓場のような場所だ。良くも悪くもな」
天ケ瀬 茜:「……」静かに聞いてた 「そうですね。…私にはザクに行く理由がありますから」
天ケ瀬 茜:「寄っていただいてありがとうございます」
帆船の船長:「そうか。この船は南西部のエンノンへ向かう」
帆船の船長:「もしザクから戻り、エンノンへ向かいたいと希望するなら、お前が戻るまで待っていよう」
帆船の船長:「しばらく待っても戻らないようであれば、この地に残るのだと判断し、岸を離れることとする」
天ケ瀬 茜:「エンノン」どこかで聞いたな、と思い出して 「あ、リンが言ってた……そっか、帆船がって」呟いた
天ケ瀬 茜:「わかりました……あの、ウルタールの方へ行く用事があるんですが、どう行くのが近いでしょう」
帆船の船長:「ウルタールか。それならザクから直接行く方が近道だ」
帆船の船長:「ザクのあたりに、トリン山という大きな山がある。見ればわかるはずだ」
帆船の船長:「トリン山を右手に、海沿いを進むといい。暫く行けば、海が流れ込んで川になっている場所がある」
帆船の船長:「その川を下っていけばそのうち着くだろう。」
天ケ瀬 茜:「山を右手に、海沿いを……」想像しながら
天ケ瀬 茜:「ありがとうございます。それなら、私はそのままウルタールへ向かうので……」「船はここで降りる、で大丈夫そうです」
帆船の船長:「そうか。ならこのまま船を出すことにしよう」
帆船の船長:「足元には注意して降りることだ。また会うことがあるといいな」
天ケ瀬 茜:「はい、また一緒に船旅ができる機会があればと思っています」
天ケ瀬 茜:「ありがとうございました」ぺこっとお辞儀をして 船を降りる
あなたは船長に礼を告げ、船を降りる。
あなたを送り届ければ、白い帆船は再び陸地を離れ、どこかへと進んでいった。
船が見えなくなってから、あなたは改めてこの地へ踏み入る。

草生い茂る斜面に足を踏み入れ、いくつもの神殿の向こうへと進んでいく。
霧が晴れるように、記憶が戻ってくる。
恐ろしかったこと、悲しかったこと、苦しかったこと、そして、幸福だったことも、全て。
あなたは圧倒的な感覚に襲われる。
街に住む人々もあなたと同じ表情を浮かべ、歓喜と恍惚に浸っていた。

そしてそこにそれが現れる。

それは誰も見たことのないものでありながら、
誰もが、ただ忘れていただけだと感じるようなものだった。
それは恐怖そのものだった。それは無知そのものだった。それは他者そのものだった。
それは宇宙であり、それは大地であり、それはあなた自身ですらあった。
あなたはそれから、目を離すことができない。
ウスロスの季節、彼らはそれを思い出した。
覚醒の世界から喪われていた、太古の恐怖の存在を。すでに人々の記憶にはない、神々を。
▶《 SANC(1D10/1D100) 》

天ケ瀬 茜:CCB<=65 【SANチェック】
Cthulhu : (1D100<=65) → 98 → 致命的失敗

ワァ!
天ケ瀬 茜:わ!クリチケ!
いいよ!頑張って!!
天ケ瀬 茜:天ケ瀬 茜のCTを1減少(1 → 0)
天ケ瀬 茜:CCB<=65 【SANチェック】
Cthulhu : (1D100<=65) → 97 → 致命的失敗

天ケ瀬 茜:えーっと
まぁ、まぁね
天ケ瀬 茜:天ケ瀬 茜のSANを1D100(→ 70)減少(65 → -5)
天ケ瀬 茜:ん?
そういうとこよね 0にしといて!
天ケ瀬 茜:天ケ瀬 茜のSANを5増加(-5 → 0)

あなたはいつの間にか走っていた。走って、走って、
喉がからからに乾き、動悸がひどいが、……そこで初めて、はたと我に返った。
何をしにここへ来たのだったか。そう、記憶を取り戻すためだった。
記憶、……記憶?
思い返そうとする。取り戻そうとした恐怖の記憶。取り戻せたはずだ。確かにその感触はあって、
しかし、きれいさっぱり消え去っている。これは神に奪われたものではない。
自分の意思で、今、このザクの地に置いていったものだ。
▶SAN+1
天ケ瀬 茜:天ケ瀬 茜のSANを1増加(0 → 1)

天ケ瀬 茜:「はぁ……っ、……。……今は、だめだ」おいてこい!!ファンブルと一緒に!!!
よし!!過去のとうかも一緒に置いてきて
天ケ瀬 茜:とうか ザクに眠る
エモい……かもな……
天ケ瀬 茜:うん……

今はその時ではない、と腹が決まった。それほどに、大きな記憶がここにあった。
地球上に生きる人間たちが置き去りにした記憶。頭ではわかっていても、これほどの量であるのか。

ザクから離れようとする。しかし、人間の足ではどうやっても限界がある。船はもうない…

……と、この世界に来た当初、クラネス王に言われた言葉を思い出す。
夢の外側におり、夢を夢として観測できる者───夢見人にのみ行える所業。
" 自分の見ている夢を多少修正・・することができる "──────。
それは一時だけ、自分に都合の良い夢を見られるということに他ならない。
例えば、本来この場所にはいなかったものを、この夢の間だけ呼び出すだとか。

天ケ瀬 茜:「……ここから、ウルタールか…」さっき言われた道順を思い返して 「できるなら、早めにゆっくりできる場所を見つけたいな……」
天ケ瀬 茜:「そういえば、あの子……来てくれるかな」チョウドラゴンを思い浮かべて 夢見!
天ケ瀬 茜:CCB<=106 夢見
Cthulhu : (1D100<=106) → 52 → 成功

えらい!
生物のため、MP-28
天ケ瀬 茜:天ケ瀬 茜の銀の指輪を17減少(29 → 12)
天ケ瀬 茜:天ケ瀬 茜のMPを11減少(12 → 1)
あなたは『チョウドラゴンがこの場にいる様子』を思い浮かべる。
すると、甲高い鳴き声とともに、あのチョウドラゴンが空から舞い降り、あなたを拾って背に乗せる。
あなたの思考を感じ取ってか、行く先を指示するより先に北上することだろう。
天ケ瀬 茜:「わ、…ありがとう。覚えていてくれたんだね」うれしい!
天ケ瀬 茜:背からよしよしと撫でて「ウルタールに行きたいんだ。わかりそう?」
あなたの言葉に、チョウドラゴンは一声鳴き、加速した。
振り落とされないようしがみつきながら、あなたは太陽の真下を飛び、ウルタールへ向かう。



チョウドラゴンとともに、あなたはのどかな森と畑の広がる地へとたどり着く。
ばらばらと小屋の点在する丘を越えた先に、ウルタールの街はあった。
丸石が敷かれた通り沿いに、上階が張り出した家が並ぶ、封建時代風の街である。
多くの猫が行き交い、人々の愛情深いまなざしを受けている。

旅人であるあなたが街に入るのを見るや、行き交った人が言った。
街の住人:「旅の人、猫に危害を加えてはいけないよ。それを行うとここでは法で罰されるからね」
街の住人:「猫は愛するもの、そして敬意を払うものだ。そうすれば世界の善なるものは猫を通じて協力してくれる」
天ケ瀬 茜:「……え、ああ、…はい。わかりまし、た」
今までにもいくつかの街を訪れたが、街に入るなり法を教えられたのは初めてだ。
この街では、何よりもそれに重きが置かれているのだろう…と、容易に想像できる。
あるいは、実際に猫に危害を加える輩もいるのだろう。その牽制もかねてといったところか。
天ケ瀬 茜:「……」とりあえず、鳥はちゃんと籠にしまった
小鳥:ピ……
天ケ瀬 茜:よしよし……「あの、すみません。アタルという人に会いに来たのですが、どちらにお住まいかご存じですか?」
街の住人:「神官アタルなら、一番高い丘の…ほら、あそこ。見えるだろうか」丘を指し
街の住人:「あの丘を登ったところに、神殿がある。恐らくそこにいるはずだ」
天ケ瀬 茜:「……」指した方を目で追って 「ああ、あそこですね。わかりました」
天ケ瀬 茜:「ありがとうございます」
街の住人:「ああ。よい一日を、旅の人」ばいばい!
天ケ瀬 茜:ばいばい! 軽く頭を下げて 教えてもらった神殿の方へと向かう!
あなたは道行く住人と別れ、教えられた神殿のほうへ向かう。
チョウドラゴンは、街の入り口から少し離れたところで待っていることだろう。

神殿へ向かうと、神殿では、老いた神官がかつての賢者について説いているところだった。

-------------
37【バルザイとハテグ=クラ山】

 ウルタールにはかつて、バルザイという賢者が住んでいた。
 彼は地球の神々を目にしたいと強く願っていた。
 彼は賢者と呼ばれるまでの豊富な知識により、
 自身を神の怒りから守ることが出来ると信じていた。
 彼はハテグ=クラ山の頂に登り、山頂の霧の中の神々の思い出、夢を見いだそうとした。
 神々の思い出とはすなわち、ドリームランドおよび覚醒の世界がまだ幼く、
 無垢だった頃の記憶に他ならない。

 ある日、バルザイは当時バルザイの弟子だったアタルを伴い、山へと登った。
 そして彼はその山頂に、蕃神、すなわち宇宙の彼方から来た神のその姿を目撃した。
 それはおそらく、地球の神々の保護者ニャルラトホテプの最も恐ろしい姿だったのだろう。
 バルザイが二度見つかることはなかった。
-------------

そうして、その話が終われば、訪れたあなたの存在を見とめる。
神官アタル:「おや、旅の人。ようこそ」
天ケ瀬 茜:会釈をした 「こんにちは」
神官アタル:「こんにちは。今は、神に近づくことの恐ろしさを説いていたところです」
神官アタル:「神殿にご用でしょうか?」
天ケ瀬 茜:「はい、勝手に聞かせてもらっていました……」この後に 私は あの カダスに?!
天ケ瀬 茜:「神殿に、というわけではなくて……あなたがアタルさん、ですか?」
神官アタル:「そうでしたか」勝手に…には何度か頷いて
神官アタル:「ええ。申し遅れました、私が神官のアタルです」
神官アタル:「…失礼かもしれませんが、貴方は、少々奇妙な境遇にいらっしゃるようだ」
神官アタル:「いくつかの神殿には、近づかない方がいいでしょう。ご用でないのならよかった」
天ケ瀬 茜:「よかった」会えた 「……あー、はは……はい、それに関係しているんですが、少しお聞きしたいことがありまして」
神官アタル:「ええ。私に答えられることであれば」
天ケ瀬 茜:「ええと、ムーン=ビースト……に、用があって。どこに行けば会えるでしょうか」
神官アタル:「ムーン=ビーストに……ですか」
神官アタル:「普通の人に聞かれたのであれば、あれに会いに行くのは良くないと窘めるところですが」
神官アタル:「何か、ご事情があるのでしょう」
神官アタル:「ムーン=ビーストでしたら……そうですね。ダイラス=リーンという港町か…」
神官アタル:「あるいは北方のイシャーラという国にいると思います。」
神官アタル:「ああ……ただ、その二つでしたらイシャーラのほうがまだ比較的安全かもしれませんね」
「まだ」という部分を妙に強調していた気がする。
神官アタル:「ダイラス=リーンは非常に危険な場所です。あなたがどれほど幸運でも災難に見舞われることでしょう」
神官アタル:「イシャーラは、もしかすると全ての財産を失うことになるかもしれませんが…」でもまぁ、まだ
天ケ瀬 茜:事情、には苦笑いをしていた ええ、はい 「イシャーラですか……北方……」としてたけど
天ケ瀬 茜:「え、どっちも嫌だな……」
神官アタル:ははは、と思わず笑った
神官アタル:「そうでしょうな。なに、イシャーラのほうは盗られる訳ではない。金にうるさい連中が集まっているのです」
天ケ瀬 茜:「……そうですか」 「まぁ、元々何もなかったんだから、今更か」これはひとり言
神官アタル:「ええ。いずれにしてもムーン=ビーストのガレー船が寄港することがありますから」
神官アタル:「運が良ければ、接触することもできるでしょうな」
神官アタル:「……しかし、なにゆえムーン=ビーストに?」
天ケ瀬 茜:「ガレー船?……船に乗っているんですか、怪物と聞いていたんですが」
天ケ瀬 茜:「理由は……ええと、カダスという場所がどこにあるのか聞きたくて」
神官アタル:「ええ、彼らは月とこことをガレー船で行き来し、旅しているのですよ。月棲獣とも呼ばれています」
神官アタル:「カダス……、それなら確かに、ムーン=ビーストであれば知っているかもしれません」
神官アタル:「邪神という扱いを受けてこそいますが、ニャルラトホテプはこの世界を守護する存在でもあります」
神官アタル:「とりわけ、カダスの神々を。」
そう言って、アタルはカダスと大いなるものたちについて、あなたに話すだろう。

-------------
38【カダスと大いなるものたち】

 大いなるものは地球の神であり、ドリームランドの神でもある。
 彼らは地球のドリームランド(今いるこの世界)を統治し、
 同時にニャルラトホテプによって保護されている。
 彼らは人間がこの世界にこれほどまでに増えるずっと前の時代、
 ドリームランドを自由に闊歩していた。
 今彼らは無垢で安全な場所に潜み、神の夢そのものともいえる霧の中をたゆたっている。
 人間が美しく清らかな夢を見た際、その夢は大いなるものの宿るところになるとも言われる。

 ニャルラトホテプは宇宙の闇から現れた蕃神であり邪なるものである。
 彼の親であるアザトースは、かつて旧神の軍団に戦いを挑み、敗北して白痴と化した。
 旧神は、現在アザトースのメッセンジャーとして活動しているニャルラトホテプも敵視している。
 しかし彼の力なくては大いなるものを守り、
 この世界の無垢なる部分を守ることはできないだろう。

 アザトースは覚醒の世界を夢見ている。
 覚醒の世界とは、アザトースの《 夢見 》によって作り出された世界なのだ。
 夢を通じてアザトースと覚醒の世界とドリームランド、
 そして大いなる神々は繋がった存在である。
 だからこそ、ニャルラトホテプは大いなるものを守護するのだろう。
-------------

天ケ瀬 茜:「そう、なんですか」「今の私にとってはあまりいいものではないですが……」
天ケ瀬 茜:「知ることは、大切ですね」
神官アタル:「ええ。勿論、神々の事情など人には無関係であることが殆どです」
神官アタル:「このウルタールにとっても、彼の神が邪神であるという扱いは変わらない…」
神官アタル:「…彼の神の化身は、別の神として祀ることもあるのですが。妙な話ですな」
最後は独り言のように言って、あなたの言葉に頷くことだろう。
神官アタル:「何を知ったにせよ、知らなかったにせよ、足を止める理由にはなりません」
神官アタル:「どうぞ、あなたのしたいことをすればよろしい。この場所からお祈りしております」
天ケ瀬 茜:「はい……、ありがとうございました」ぺこお辞儀
天ケ瀬 茜:神殿を出ようとして、 「あ、そういえば……この街は随分と猫を大切にしているみたいですよね」
天ケ瀬 茜:「何か理由があるんですか?」
神官アタル:「ああ…遠い昔の話になります」
神官アタル:「昔、この街には、近所の猫をやたらと罠にかけて殺すのを好む夫婦が住んでいたのです。」
神官アタル:「とはいえ、確たる証拠があった訳でもない……」
神官アタル:「飼い猫が行方不明になった飼い主たちも、どこかの闇商人に買われていったのだろうとか」
神官アタル:「あるいは、人ではないだけまだ良かったかもしれないとか、そんな理由をつけて自分を納得させていたものです」
神官アタル:「それが段々と日常になっていきました。……そんなある時」
神官アタル:「とあるキャラバンがこの街へやってきたのです。」
神官アタル:「キャラバンには、名をなんと言ったか……黒猫を大事にかわいがる少年が同乗していました」
神官アタル:「……もうお察しかもしれませんが」
神官アタル:「滞在中、その少年の猫がいなくなったのです。それを聞いて、村人は例の夫婦の話をしたそうだ」
神官アタル:「勿論、話した村人たちは、『こういう噂がある』といった程度の気持ちで伝えたのでしょうが…」
アタルは、なにか不可解な思い出を振り返るようにして続ける。
神官アタル:「その少年が去った後のことでした」
神官アタル:「理由はわかりませんが、ウルタールから猫が1匹もいなくなったのです。」
神官アタル:「市長と公証人の間で、例のキャラバンが連れ去ったのだ、あるいは容疑者はあの夫婦だとそれは意見が割れました」
神官アタル:「私……当時宿屋の息子であった私も、彼らに伝えたのです」
神官アタル:「『全ての猫たちがあの夫婦の家の近くで何やら不思議な動物の儀式を行っていた』と」
神官アタル:「ですが、大人達は私の話を信じられずにいた。子どもの戯言だと思われたのでしょうな」
神官アタル:「……その議会があった、翌日のことだったかと思います」
神官アタル:「朝、全ての猫たちが戻って来たのですよ。」
神官アタル:「いずれも毛並みはつややかで、腹も満たし、……奇妙なことに数日間餌を食べなかった。」
神官アタル:「そして、街の人々はふと思い至るのです。」
神官アタル:「例の夫婦を、そういえば前の晩から誰も見ていない……と。」
神官アタル:「人々はその夫婦の家に行き、……」
神官アタル:「家の中で、さっぱり肉を失った、人間2人分の骸骨が転がっていたのを見つけたのです。」
恐ろしいものを思い出すように、そう言葉を紡ぐ。
神官アタル:「それから長い間、多くの世論と議論を経て、何人も猫を殺してはならないという法が定められたのですよ」
天ケ瀬 茜:「……」うんうんと頷きながら聞いていたけど 「……お、思ったよりも…ちゃんとした理由があるんですね」
神官アタル:「ええ。あれは恐ろしい事件でした」
神官アタル:「殺せば同じ報いを受ける、とは思っておりませんが……広く生き物を大事にするように、という戒めです」
天ケ瀬 茜:「なるほど、私も生き物が好きですから」と鳥を見て 「その気持ちは大切にしたいと思います」
小鳥:ピッ
天ケ瀬 茜:「それにしても、まさかその頃を実際にご存じの方からお話を伺えるとは」思わず
神官アタル:「ええ、ええ。そうしてください」鳥も見て、微笑んだ
神官アタル:「はは。当時はまだ幼かったものです」
神官アタル:「生きているうちに法が変わり、街の様相も一変する……長生きもしてみるものですな」
天ケ瀬 茜:「ふふ。当然ですけど、この世界も変わっていくものなんですね」「のんびり時が流れているような印象でした」
神官アタル:「そうですか。オオス=ナルガイの地は顕著ですが…他の地も」
神官アタル:「となると、覚醒の世界はきっと目まぐるしいのでしょうね」
天ケ瀬 茜:「そうですね……ここの何倍も」「だからといって、いいことばかりでもないですけどね」
神官アタル:「そういうものですか」成程、と頷き
神官アタル:「確かに……セレファイスが建国した際も、東部に限らず西部もいくらかざわついたものですが」
神官アタル:「それほどのことが何倍もの頻度である、と思えば」 落ち着かないかもしれない…と笑った
天ケ瀬 茜:「確かに……、驚きますよね」そりゃ
天ケ瀬 茜:「ふふ、すみません。お仕事中でしょうに長話を。せっかく来たので、この場所のことも知っておきたくて」
神官アタル:「いえいえ。こうして旅の方に話をするのもまた私の役目です。聞いてくれてありがとう」
神官アタル:「またいつでもお越しください」
天ケ瀬 茜:「ありがとうございます」 「本当は一泊くらいしていきたいんだけどな……。目的もあるから、」
天ケ瀬 茜:「はい、またいつか、お話しに来ます」
神官アタル:「そうですか」うんうん、として 「ええ。道中どうかお気をつけて」
神官アタルは穏やかにそう言って、あなたを見送ることだろう。
天ケ瀬 茜:頭を下げて神殿を出た ばいばーい!
天ケ瀬 茜:そのままちょっとだけ街並みを見て、猫たちを見て チョウドラゴンのところまで戻る……
天ケ瀬 茜:「お待たせ。……もう少し、乗せていってくれる?」
街を少し見て回ってから、チョウドラゴンのところまで戻る。
あなたの言葉にひとつ嘶いてから、チョウドラゴンはあなたを背に乗せることだろう。
天ケ瀬 茜:撫でて「少し疲れてさ……ゆっくり休める場所に行きたいんだ。君と会った場所、そこまでまた連れて行ってくれる?」
そう伝えれば、チョウドラゴンは羽をバサリと羽ばたかせ、北のほうへと飛び立った。



深く広い、堂々たる川が、巨大なドラゴンのようにうねり、流れている。
千種をゆうに超える花々が咲き乱れるその岸辺は、金色の霞につつまれていた。
空気は小鳥のさえずりとミツバチの羽音、そしておだやかな音楽で満たされている。
いつも日光によって温められたそこは、かげろうの如き夢幻のきらめきの世界だった。
全ては快適な驚きと喜びに満ちていて、幸福な時間ばかりがあった。

あなたは、オウクラノス川へやってくる。

天ケ瀬 茜:「やっぱり綺麗な場所だな……」休憩ーーーーーッ!!!!
天ケ瀬 茜:天ケ瀬 茜のSANを5D6+5(→ 24)増加(1 → 25)
天ケ瀬 茜:天ケ瀬 茜のSANを3D6+3(→ 14)増加(25 → 39)
天ケ瀬 茜:天ケ瀬 茜のSANを4D6+4(→ 13)増加(39 → 52)
デカい!!
天ケ瀬 茜:よし……

3ヶ月ばかりの滞在を経て、ようやく気持ちもすっきりしてきた気がする。
天ケ瀬 茜:「そろそろ行かないと、かな……」ゆっくりできました
天ケ瀬 茜:「そうだ、結局時計を使わずに帰ってきたから……ヘルメスに声をかけていきたいな」
天ケ瀬 茜:として 「うん、フラニスに寄ってから行こう。ここからなら近いし」じゃあフラニスに寄る!
OK!
久しぶりに戻ってきたのだ、と、あなたは道中フラニスへ寄っていくことにする。



川沿いを歩いていけば、懐かしいフラニスの街へやってくる。
相変わらず先の尖った屋根のある美しい家々が並び、どこかしこから音や人の声が聞こえてくる街だ。
大通りを通っていけば、例の神殿区域を通りかかる。以前はここで炎の神・カラカルの儀式を見たのだったか。

住宅地のほうに歩いていく。目的の家までは迷わず来ることができた。
石造りの家。ドアノッカーを叩けば、扉が開きヘルメスが顔を覗かせる。
ヘルメス:「あれ、やあ。……最初に来たほうのアカネだね?」
ヘルメスはそう言って穏やかに笑うだろう。
天ケ瀬 茜:「うん、久しぶり。時計を使わずにこっちに戻ってきたから、一応報告にと思って」
ヘルメス:「そうか、道理で」街の方から来たと…
ヘルメス:「うん、元気そうで何よりだ。上がっていくかい?」
天ケ瀬 茜:「そうだね、良ければそうさせてもらおうかな。聞きたい話もあるし」
ヘルメス:「あはは。察しは…つくな」「どうぞ」
天ケ瀬 茜:「お邪魔します」
苦笑してから、あなたを中へ通す。
例の時計が置かれた部屋へ通してから、ソファを薦めると、
少ししてからティーポットとカップを持って戻ってくるだろう。紅茶を淹れてあなたへ出す。
天ケ瀬 茜:「ありがとう」少し辺りを見渡してた 受け取る
ヘルメス:「言うまでもないかもしれないけど。あの後、入れ替わりで君が来たんだ」
ヘルメス:「残念、どうやら君はアシュリンのいる世界の人ではなかったらしいね」 君、と言って目の前のアカネを指す
天ケ瀬 茜:「うん、……今ここには居ないんだね?彼女」
ヘルメス:「ああ。あまりゆっくり話をする間もなくてね、急いているようだったから」
ヘルメス:「ニャルラトホテプへの対抗手段を欲していた。…これは僕の憶測だけど」
ヘルメス:「平行世界によって、君に取りついているそれが、…何と言ったらいいか」
ヘルメス:「バクという存在に寄っているのか、ニャルラトホテプという神に寄っているのか、が異なる気がするな」
ヘルメス:「少なくとも、もう一人の君から聞いた話にバクを思わせる要素は伺えなかった。ニャルラトホテプの性質そのものだ」
天ケ瀬 茜:「……そっか。違うんだね、状況が」紅茶を飲みつつ聞いてる
ヘルメス:「そのようだね。彼女は、ニャルラトホテプをどうにかするためにカダスへ向かったよ」
ヘルメス:「危険だ、とは一応言ったんだけど。」
言葉こそ続けないが、振り切って向かったのだろうということは容易に想像がつく。
天ケ瀬 茜:「え、カダスに?」 「それで、まだ戻ってきてはいないんだよね?」
ヘルメス:「ああ。……まぁ、往復の時間を考えれば不思議ではないが」
ヘルメス:「不測の事態があったか、カダスで無事に解決できたか、…あるいはタイムリミットが先に来たか」
ヘルメス:「それは、こちらでは計り知れないな。どれも同じくらい可能性がある」
天ケ瀬 茜:「……」もしかして、自分ゆっくりしすぎっすか?
ヘルメス:どうかな…元気そうだけど
天ケ瀬 茜:「あのさ、私もカダスに行こうと思ってるんだけど」
天ケ瀬 茜:「ヘルメス、行き方を知っていたりしない?ムーン=ビーストに聞きに行かないといけないんだ」
ヘルメス:「ん? ああ、そう…」 「…」目を丸くした
ヘルメス:「あはは、すごい旅をしているな。君は」改めて笑ってしまった 笑い事ではないです
天ケ瀬 茜:「あはは、ここに戻るまでも大冒険だったよ」
ヘルメス:「それはそうか。時計を使わずに来るのは大変だったろう」
ヘルメス:「残念だけど、僕は知らない……というより、大まかな場所しかわからないから参考にならないな」
ヘルメス:「アシュリンの家の場所を聞かれて、『アメリカだ』と返すのは不誠実だろう? そのレベルしか知らない」
天ケ瀬 茜:「ああ…………それじゃあたどり着けそうにないや」
ヘルメス:「すまないね」苦笑しつつ 「ムーン=ビーストは……まぁ、うん。君には害は加えないだろう」
ヘルメス:「ムーン=ビーストを探しに、どこに行くって?」
天ケ瀬 茜:「うん。聞く限り、その心配はないみたい」危害を加えられる、方は
天ケ瀬 茜:「ええと、ウルタールで教えてもらったんだ。イシャーラかダイラス=リーンだったら会えるんじゃないかって」
天ケ瀬 茜:「私はイシャーラに行くつもり」
ヘルメス:「成程…… 長居しないのをおすすめするよ」
ヘルメス:「イシャーラなら、もしかしたら君主に謁見できれば話くらいはできるかもしれない」
ヘルメス:「彼ら…ああ、双子の君主なんだ。彼らは基本的に横暴で傲慢だが」
ヘルメス:「神やそれに通ずる神の化身には大きく出ない。……君はそう扱われるのは嫌かもしれないけどね」
天ケ瀬 茜:「やっぱり、素敵な場所ってわけではなさそうだね」うん……
天ケ瀬 茜:「君主……へぇ、それなら確かに。今の私だったら……追い返されはしないかな」
ヘルメス:「そう思う」どっちに対してもうなずきました
ヘルメス:「まぁ、金銭は持っていくといい。そういう場所は、何をするにも金が物を言うから」
ヘルメスは呑気にそう言った。
彼の様子を見るに、脅しこそするが、とはいえそれほどの危険はみなしていなさそうだ。
天ケ瀬 茜:「……」うーん…… 「正直、行きたくはないなあ。行くんだけれど」こんなにも気がすすまないことがあったでしょうか
ヘルメス:「はは、正直でいいね」うんうん、とした
ヘルメス:「泊らずに、用事を済ませたらすぐに帰っておいで。愚痴くらいなら聞くさ」
天ケ瀬 茜:「あはは、うん。お酒を飲みつつ聞いてもらおう」
天ケ瀬 茜:「……じゃあ、これ以上私が駄々をこね始める前に行くよ。ありがとう、急に寄ったのに」お茶まで
ヘルメス:「うん、そうしよう。また良い酒も入ったようだから」
ヘルメス:「わかった。いいよ、いつでも寄ってくれ」
そうして、ヘルメスは玄関先まであなたを見送った。
ヘルメス:「じゃあまた。気を付けて」
天ケ瀬 茜:「うん、またね」ばいばい!
気軽な別れの挨拶を交わし、あなたは意を決してイシャーラへ向かうことにした…


チョウドラゴンに乗り、北部の街へ向かう。
……と、

事件は起こった。

彼らは空中から群れを成して現れた。
それは人間ほどの大きさの、膨らんだソーセージのような存在だった。
明るい黄色、灰色、黄土色、緑といった、様々な色の美しい模様をうねらせている。
しわくちゃのひだ状の鼻と耳の名残のようなひれ、そして黒い目。
その奇妙な存在は、あなたとチョウドラゴンへと襲いかかってくる。
▶《 SANC(0/1D6) 》

天ケ瀬 茜:CCB<=52 【SANチェック】
Cthulhu : (1D100<=52) → 53 → 失敗

天ケ瀬 茜:天ケ瀬 茜のSANを1D6(→ 3)減少(52 → 49)
よし…!!

次の瞬間、あなたは、自分の体が巨大化していくのを感じた。
鼻は象のよう、尾は牛に似て、足は虎に似る。
毛は白黒のまだら模様で、光沢のある短い毛をしていた。
あなたはバクそのものの姿となり、

巨大な口を開いて、その怪物たちを飲み込んだ。

▶《 SANC(1/1D6) 》

天ケ瀬 茜:CCB<=49 【SANチェック】
Cthulhu : (1D100<=49) → 7 → スペシャル

天ケ瀬 茜:天ケ瀬 茜のSANを1減少(49 → 48)
えらい!えらい!

意識が暗転していく。








あなたは、静まりかえった空間で目を覚ます。

高い天井は破れており、その向こうに、星が見えた。夜だ。
あなたはドリームランドを旅していたそのままの荷物と服装で、星の照らす、工場の中にいた。
ぼろぼろに崩れて廃墟のような様相である。見たところ人影はない。
チョウドラゴンと小鳥は、今はそばにはいない。
……この工場と惨状に、どうしようもなく、見覚えがあった。

 
あなたが今いるそこは、長く太いレーンが敷かれた区画である。
レーンのそばに [ パネル ] が張り出されている。
[ 工場全体 ] を見て見ることもできるだろう。

天ケ瀬 茜:「……え、」え?
天ケ瀬 茜:「どう、なって……ここ、は……」周囲を見て 「工場、だし。さっきの……なに」
天ケ瀬 茜:「……とりあえず、ここがどこなのかを知らないと…」パネルに近づく

-------------
39【象について】

 ここは鼻製造ラインである。業務従事者は以下を一読のこと。
 ---
 長い鼻と大きな耳が特徴的な動物である。彼らは夜の薄明かりでも周囲をよく認識する。
 彼らは賢く、愛情深い存在として知られている。
 ヒンドゥー教では象は世界を支える存在であり、また象頭の神は富と繁栄の象徴ともされる。
 歓喜天と呼ばれるその神は、障害を司る神であり、のちには障害の克服を司った。
-------------
パネルには、このようなことが書かれていた。

天ケ瀬 茜:「……?」え?
天ケ瀬 茜:「……ええと、なんなんだろうな」ここは…… 全体を見て回る

壁は壊れ、扉も歪んで外れており、自由に行き来することができた。
この工場は今いる鼻製造ラインを含め、5つの区画に分かれていたようだ。
事務室などもあるが、破壊の直撃を食らったかのように瓦礫に埋もれており、調べるのは難しそうである。

▶《 生物学 / 物理学 / アイデア1/2 》
天ケ瀬 茜:CCB<=1 【生物学】
Cthulhu : (1D100<=1) → 72 → 失敗

天ケ瀬 茜:CCB<=1 【物理学】
Cthulhu : (1D100<=1) → 34 → 失敗

天ケ瀬 茜:CCB<=80/2 【アイデア/2】
Cthulhu : (1D100<=40) → 65 → 失敗

おしい!
 ∟ 爆発というよりも……何か大きな生き物が暴れ回ったあとのように見える。  

天ケ瀬 茜:「何かが暴れた、ように見えるけど……」「今、それはいなさそうかな」見た感じ
周囲を見回すも、その気配は伺えない。
生物どころか、工場にいたであろう人間の姿も見られない。
天ケ瀬 茜:「……」とりあえず見て回ろう、と尾製造ラインから。

鼻製造ラインと比べるとさほど広くない区画に、
同じくらいの長さだがさほど太くないレーンが敷かれている。
ここにもパネルが貼られていた。
-------------
40【牛について】

 ここは尾製造ラインである。業務従事者は以下を一読のこと。
 ---
 大きな胴体と一対の角を持つ動物。その尾は細く長い。
 広い地域において食肉、また乳とその加工品を扱う酪農、
 そして農耕を助ける存在であり、人間社会になじんでいる。
 インドでは特に神聖視されている。
 日本で信仰を集める、牛の頭を持つ神・午頭天王は
 疫病をもたらす神とも、疫病から守る神ともされている。
-------------

天ケ瀬 茜:「今度は牛、……」
天ケ瀬 茜:「組み合わせて、つくってる?」じゃあ胴製造ラインへ

鼻製造ラインの倍ほどの広さの区画である。ここが最も広い区画のようだ。
高いところでも低いところでも作業をしていたらしく、足場が組まれている。
ここにもパネルが貼られていた。
-------------
41【まだら模様・水玉模様について】

 ここは胴製造ラインである。業務従事者は以下を一読のこと。
 ---
 水玉模様、ポルカドットの語源は、小さなステップを踏むダンスである。
 軽快なダンスと水玉が結びつけられた。
 スペイン人は水玉模様を「小さな月」と呼ぶ。月は満ちかけや狂気と結びついている。
 他方、不規則に配置された点は、様々な病気を想起させ忌まれることがある。
 まだら模様はヒョウと結びつけられる。
 ヒョウはキリストの象徴ともされ、聖なるものであり、死と復活をあらわす。
 ヒョウpanteraはギリシャ語の「pan」とも結びつき、
 つまり牧神パーンとも結びつく。
 パーンは狂気と混乱の神であり、また角持つその姿は悪魔サタンに似通ったところもある。
-------------

天ケ瀬 茜:「……?」突然なんか 様子変わったけど 「ああでも、まだら模様、……」だったもんな……見たのも
天ケ瀬 茜:肢製造ラインへ

4つに区切られており、かなりの広さのある区画だった。
ここにもパネルが貼られていた。
-------------
42【虎について】

 ここは脚製造ラインである。業務従事者は以下を一読のこと。
 ---
 縞模様を持つ肉食動物。
 百獣の王として語られ、魔除けの力を持つともされた。
 中国で信じられている、天界を統べる女王・西王母は半身が虎であり、
 死、そして不老不死を司る。
 一方で虎は凶悪で危険な象徴、そして取り除くべき敵としても、古くから語られている。
-------------

天ケ瀬 茜:「…と、くれば……、そうだよね」かっけ
天ケ瀬 茜:「……なんだか嫌だけど、そもそもどうして急に戻ってきたんだろう」頭製造ラインへ!

奥まったところにある区画で、重要な場所だったのではないかと思わせる。
4つの区画に分かれていて、区画のひとつひとつの大きさにはばらつきがある。
それぞれの区画には[目担当/口担当/耳担当/総合担当]と書かれている。
ここにもパネルが貼られていた。
-------------
43【獏について】

 ここは頭製造ラインである。業務従事者は以下を一読のこと。
 ---
 流線型の体と象の鼻のような口吻、小さな目を持つ動物。
 獏という名前は、いくつかの動物に似た、
 架空の生き物から名付けられたという説が有力である。
 しかし、古代中国の遺跡から獏をかたどった青銅器が出土している。
 そのため、そもそも中国に獏が生息していた時期があるのではないか?とする説もある。
 たとえばキリンのように、あまりにも見慣れない動物を見た際や語り伝えられるとき、
 様々な説話がつくことがある。
 獏もその姿が奇妙であると感じた人間が、
 様々な動物の神性を持つ存在として意味を持たせ語ったのかもしれない。
-------------

天ケ瀬 茜:「獏、うん。……。それを、つくってた?ここで、どうして……」うーん……

そうしていれば、カツ、と。入り口のほうから足音がした。

:「Is anybody here? It's dangerous here.誰かいるのか。ここは危ないよ
声が聞こえたかと思うと、人影が近寄ってくる。
それは背の高い男性だった。あなたに目をとめると、驚いたようにまばたきをする。
:「どちら様で… あ」
:「もしかして、あなたが… 例の、通りがかって、バクに飲まれたという…」
天ケ瀬 茜:「…!……え、ああ…。すみません、勝手に入ってしま、って……え?」バクに飲まれたって?
天ケ瀬 茜:「ああ、はぁ……ご存じ、なん…ですね?」
:「……」目をぱちくりさせてから 「そうか、」
:「あなたを皆探していたんです。無事でよかった…」
:「どうやってここに? …いえ、そもそもどうしてここにいるのかもわかりませんが…」
天ケ瀬 茜:「探していた?どうなっているんですか……。私も、気が付いたらここに戻ってきていたんですが」
:「どう…なっているんでしょうね。俺もその現場にいた訳ではないので…」
:「気づいたら……」か…
:「…あ、俺はセオドアといいます。ここの…うーん、一応スタッフです」
セオドア:「配属される予定だった…というだけで、プロジェクトについてはまだ殆ど聞かされていなくて。」
セオドア:「関わる前に、爆発事故でプロジェクトが中断して…。今に至る、といった具合です。」
男性は、無人の工場を指してそう言った。
天ケ瀬 茜:「そうですか……。そういうことなら、誰か事情が分かる方に会わせていただけませんか?」
天ケ瀬 茜:「何があったかはご存じのようですが、……アカネといいます」
セオドア:「アカネさん」どうも、とお辞儀し
セオドア:「事情がわかる…そうだな、責任者には連絡はとれますが」時計を見て 「かけるとしても朝かな…」
セオドア:「ここはBと呼ばれている工場です。」
セオドア:「俺は、今後再開する可能性があるなら…と一応環境や書面等の把握に来た次第ですね」
セオドア:「一先ず……あ。あなたのお荷物は、下に保管されていると聞いてます」
セオドア:「…ここで一人待たせるのも危ないか… 案内しますよ。」
天ケ瀬 茜:「ああ、そんな時間でしたか。すみません」時間感覚 無
天ケ瀬 茜:「B……。なるほど、それで一人でこちらに」納得
天ケ瀬 茜:「荷物もありがたいです、どこに行ったのかと心配してました」苦笑しつつ案内してもらおう
セオドア:「あ、いえ。俺も昼夜逆転しているので…人のこと言えません」苦笑した
セオドア:「はい、荷物だけ残っていたとか…」頷いて 「こちらです」

セオドアはあなたを引き連れ、事務室へと向かう。
そしてその付近の床を探ると、鍵を差し込んでハッチを開け、下へ続く階段へとあなたを手招きした。
天ケ瀬 茜:「地下?」え?
セオドア:「はい、ずいぶん厳重ですよね。不思議な工場だと思ってたんですよ」
天ケ瀬 茜:「いや、うん……そうですね」厳重ってかなんていうか
セオドア:「下は、資料庫と保管庫です。地上はほぼレーンで埋まってるので」
天ケ瀬 茜:「ああ、そういうことか。おどろいた、地下にも事務室がもう一つあるのかと」ふふ ついてこ
セオドア:「あはは… それもそれで、少年心はくすぐられますが」
そう言って、セオドアはスマホのライトで階段を照らす。

セオドア:「なんだか、世界を守るようなものを作ってるなんて言っていて…詳しいことはまだ聞けてないんですけど」
セオドア:「作ってるものの名前、[B]とだけ言われていましてね」
長い階段だった。間を取り持つように、セオドアは語る。
セオドア:「自分の名前はセオドアというんですが、この名前は神への贈り物という意味でして…」
セオドア:「名前がプロジェクトにふさわしいからという理由で、ちょっとした役職を与えられる予定でした。」
セオドア:「名前ではなく能力で得たかったのが本音ですが……まぁ、ゲン担ぎは大事ですからね」
セオドアはそう言って、場を持たせるため名前の由来を話す。

-------------
44【テオス】

 Theosテオスはギリシャ語で神を表す。
 セオドアという名前はテオスが語源であり、神の贈り物という意味である。
 同じ語源の言葉として、
 enthusiasmエンシュージアスム=熱意/神が降りてきて元気づけられる
 theismシイズム=有神論
 apotheosisアポテオシス=具体的な対象を神、あるいは神に類するものとみなすこと、神格化
 などが挙げられる。
 アポテオシスという単語は芸術分野でも使われ、故人を超人的に、神のように描くことを指す。
 神格化されるということは、生前に侵した過ちをうやむやにし、なかったことにする効果がある。
-------------

天ケ瀬 茜:「へぇ……。素敵な名前、だね」まってこの人もそんなにコミュ強ってわけでも
セオドア:「ありがとうございます、」
セオドア:「…本業は生物学者なので、もとの仕事に戻りたいんですがね。」
セオドア:「どうも、いろんな学者が集められてるそうなんです。なかなか高名な方々もいたな」
セオドア:「呼ばれたのは素直に光栄ですし…給料がいいので、別にいいんですけど…」

やがて、階段を下った先、指紋認証を行う扉の向こうに、その部屋はあった。
セオドアは指紋認証を行い、中に入る。

コンピューターがいくつか並べられた、そう広くない空間である。
奥にあるラックから、セオドアは鞄を一つ持ってきた。あなたのものに間違いない。
セオドア:「これ…ですかね?」どうぞ、と
天ケ瀬 茜:「ありがとう」受け取って 「うん、私の荷物だね。……じゃあ、やっぱりここは元居たところなんだ…」
スマホを見るなら、バッテリーはさほど減っておらず、日数も最後に記憶している日付からほぼ経っていない。
セオドア:「…そう、ですね…?」
天ケ瀬 茜:「ああ、ごめん、気にしないで」こっちの話……
セオドアははぁ…と頷いてから、コンピューターを操作し、2つの資料を閲覧する。
セオドア:「…あった。これを確認しに来たんですよ」
あなたが覗くのなら、止めることはない。
偶然にも巻き込まれた被害者であるのだし、上も恐らく咎めはしないだろう…ということだ。
天ケ瀬 茜:「資料を?」わーい!見ちゃお!
セオドア:「はい。閲覧許可は下りていたので…」
セオドア:「爆発騒ぎで上がバタバタしているなら、説明を待つより直接見たほうが早いと思って」

-------------
45【獏】

 獏は日本で語られる架空の生き物である。
 同じ名前の似た生き物も存在するため、これから想起されたものだろう。
 一説には熊に似て模様はまだら、象や犀のような小さな目、尾は虎のものに似るという。
 また一説には、象の鼻を持ち尾は牛、脚は虎に似るという。
 この工場では、両方の説から少しずつ採用している。

 獏の毛皮は座布団や寝具に用いると湿気疫病悪気を避ける。
 獏の絵を描いて悪疫を避けることもあった。
 これは中国で語られる莫奇ばくきという夢を食う動物と結びつき、
 現在語られる獏の姿となった。
 様々な繋がりや誤解から、獏という架空の生き物は、
 悪い夢を食うとして知られるようになった。
 現に日本では、正月の初夢をよいものにするため宝船の絵を枕の下に敷いて眠る風習がある。
 この際、悪い夢を見たら食べてもらえるように、宝船の帆に獏と書き込むこともあったという。
-------------
46【平行世界からの訪問者について】

 我々の世界を、仮に"Basic"からとって [ B ] と呼ぶとする。
 そして我々は、平行世界Another── [ A ] の存在をすでに観測している。
 [ A ] では [ B ] より不幸な事件が多く、特に怪奇事件が多く起こる。
 そして [ A ] で何らかの事情で消滅した人間がいた際、
 [ B ] の人間が [ A ] へ移動するという事象も観測されている。
 表向き、行方不明という形で。
 我々 [ B ] は、[ A ] のための保管庫とでも言うのだろうか?
 そうだとすれば、我々 [ B ] にとって、いずれ不幸な事象を引き起こすかもしれない。

 そのために我々は [ BAKU ] を開発したのである。
 日本の古い伝承になぞらえ、 [ 悪いものを食べる ] という、
 我々が信じるべき神を、我々は作った。
 また、彼の姿に似るという動物たちは、災厄や障害、
 そしてそれを乗り越えることと深く結びついている。
 我々は見たことのないものを夢見る。まるで見たことのあるものであるかのように。
 BAKUは不幸を乗り越える象徴である。
 いつか起こるかもしれない災厄に打ち勝つために。我々で [ B ] を守るために。

 …
 BAKUが平行世界から人間を招く事象が観測されている。
 悪いものを食べたいという欲求によるもののようだ。
 その結果、こちらの世界の人間が入れ違いに消えている。
 想定していない事態になった。
 性質はそのまま、まるでBAKUに似た何かに変異してしまったかのような。
 全体としては同じ人間がいるのだから問題ないのかもしれないが、
 しかし入れ違いに消えた人間はどうなったのか?

 我々は一体、何を作り出したのだろうか?
-------------

セオドア:「……こういうことになっているなら、再開は無いかもしれませんね」
セオドア:「このまま中断、BAKUの処分…が妥当かな」
天ケ瀬 茜:「やっぱり、獏をつくっていたんだね」製造ラインを思い出し 「それにしても……」
天ケ瀬 茜:「うん……。続けるのが得策でないのはわかるけれど、……処分、か……」それ、いま

自分にとりついているものは、「BAKU-獏」であった。
そして、それが偶発的に、類似した神の一部となり変異したのだ。
他の世界の自分が最初からニャルラトホテプに取りつかれていたのは、
自分の世界を基点に枝分かれしたのが、バクからその神へ変異した後のことだったから。

あなたは明確にそう自覚し、その瞬間、意識が暗転していく。
暗転の瞬間、自分の体が巨大化し、ニャルラトホテプと化していくのに気づいた。











はっと目覚めるとチョウドラゴンの上だった。夜である。
どれくらいの時間が過ぎているのかはわからない。

チョウドラゴンは、港の近くを飛んでいた。
そこは、村とそう変わらない、小さな町だった。
ほとんど貧民街のような町並みの向こうに、場違いなほど豪華な [ 宮殿 ] が建っている。
あれが、ヘルメスの言っていたイシャーラの君主デュークの住処だろうか。
また、港の隅には、 [ 黒いガレー船 ] が停泊している。
探していたムーン=ビーストの船だろう。彼らと話ができるのではないか。

天ケ瀬 茜:「……あれ、……もどって、きた?」あれ?
天ケ瀬 茜:「どうなってたんだろう。……大丈夫?」チョウドラゴンをなで、とした
チョウドラゴンは応答のないあなたを気にしていたようであったが、
彼や小鳥には特に異常はなさそうだ。
…処分、とセオドアはそう言っていた。それが一番得策なのも理解できる。
しかし、今、そのバクは自分だ。
どうするのがいいのだろうか。
天ケ瀬 茜:「……。早く、どうにかしないと」急に戻ってきてしまいましたしね 「乗せてくれてありがとう、下りよう」
天ケ瀬 茜:として、宮殿へ!
チョウドラゴンは、その町──イシャーラへ降り立つ。
そしてチョウドラゴンを待たせ、あなたは宮殿へ足を向けた。

宮殿のように見える建物は、
しかし宮殿に似せた単なる豪邸であり、実際にはセレファイスのそれほどは豪華ではなかった。
使用人は、君主に会うのならと宝石100個を要求する。
天ケ瀬 茜:まぁ、はい……
天ケ瀬 茜:天ケ瀬 茜の宝石を100減少(816 → 716)
使用人はあなたから宝石を受け取れば、宮殿の中へ招き入れる。

イシャーラの君主は双子で、ひとりには顔に傷跡があるが、そのほかはそっくりよく似ている。
彼らは毛皮で裏打ちされた上着と明るい赤のロングブーツ、
そして大量の金の装飾品を身につけて現れた。
彼らは揃って言う。
イシャーラ:「お前は神の化身か?」
イシャーラ:「そうであれば話をしてもよいが、宝石を差し出すことだ。」
イシャーラ:「宝石30個で1つ、50個で2つ、話をしてやろう。それ以外に話す理由はない」
天ケ瀬 茜:「はぁ……、ご挨拶をと思って、いましたが……」「そういうことでしたら、ありがたく」じゃあ、払うか
天ケ瀬 茜:天ケ瀬 茜の宝石を50減少(716 → 666)
天ケ瀬 茜:天ケ瀬 茜の宝石を6減少(666 → 660)
あなたは宝石を双子へ支払った。一応、とチップもつけて…

イシャーラ:「いいだろう。求めるのは何についての話だ?」
挨拶を、という言葉には頷いたうえで、求めるとすれば、というていでそう聞く。
天ケ瀬 茜:「はい、私はカダスについて知りにこちらまで来ました。あなた方が何か知っていることがあれば……」
天ケ瀬 茜:「あとは、……獏、」こっちだとわからないかもだから「や、ニャルラトホテプについて、ご存じであれば」
イシャーラ:「成程。見たところ、お前はニャルラトホテプの化身であるようだが…」
イシャーラ:「ひとつ聞こう。それはお前の望むところか?」
天ケ瀬 茜:「いいえ……」
あなたの返答に「そうか」と双子は頷いた。

イシャーラ:「私達は、自分たちについてこう考えている。」
イシャーラ:「自分たちは、ふたりだが、ひとつのものである、と。」
イシャーラ:「これは、ニャルラトホテプが999の化身を持ち、別の存在でありながら同じものであることと同じ」
イシャーラ:「…お前のもはや一部分であるニャルラトホテプは、所詮化身のひとつに過ぎん」
イシャーラ:「ニャルラトホテプではあるが、ニャルラトホテプではない。」
イシャーラ:「例えば、お前を葬ったとしてもニャルラトホテプは死なないし」
イシャーラ:「ニャルラトホテプが逝去したとしても、お前が人間に戻るわけではないのだ」

イシャーラ:「その上でだが。『特定の神と類似した存在が、その神になる』…聞いたことはあるか?」
天ケ瀬 茜:「ええ、そうですね……」
イシャーラ:「ならば話は早い。それはお前の振る舞いや行動にも言えること」
イシャーラ:「ニャルラトホテプのように振る舞えば、次第に精神までも彼の神になっていくことだろう。」
イシャーラ:「ニャルラトホテプになりたくなければ、"ニャルラトホテプらしい行い"に手を染めない方が良い、ということだ。」
天ケ瀬 茜:「ニャルラトホテプらしい行い、ですか……」ですか?
イシャーラ:「ああ。…人の身にできる範囲で、かつ可能性のある例を挙げるなら」
イシャーラ:「従僕を召喚する、ニャルラトホテプを名乗る…」
イシャーラ:「そのあたりだろう。ニャルラトホテプに関する呪文を使用する、も同様かもしれないが…」
イシャーラ:「彼の神が、どの程度世界に干渉しているのかはわかりかねる。なにせアザトースの息子だ」
イシャーラ:「どの呪文が関係しているのか、していないのかの判断は難しいだろうな」
天ケ瀬 茜:「なるほど……。判断ができそうなものは、できるだけ避けるようにします」「ありがとうございます」
イシャーラ:「そうすると良い。」
イシャーラ:「これが宝石の対価だ。用が済んだのであれば、このような町からは早く出るといい」
イシャーラ:「見るに、お前は治安の良いところから来たようだから。」
天ケ瀬 茜:「あはは、お気遣い痛み入ります」今からムンビに会いに行くよとは言えず 「では、失礼させていただきます」
そう言って、双子の前をあとにする。
使用人の見送り…にしては粗末な見送りを受け、宮殿から出ることだろう。
天ケ瀬 茜:さてと、と 「……会いに、行こうか」ムンビに 「多分あっちだね」黒いガレー船へ

黒いガレー船にはオールがびっしりと三列に並んでおり、その力強さを示していた。
その中には、ターバンをいびつに巻き、ぶかぶかの服と大きな靴に身を包んだ小男たちがいた。
あなたを見ると「ニャルラトホテプ様!」と言い、歓待する。
小男たち:「ようこそお出でくださいました、どうぞどうぞ、こちらへ」
天ケ瀬 茜:「……」いえ、人違いです 「ありがとう」案内してもらおう
あなたは小男に連れられ、ムーン=ビーストに引き合わされた。

彼らは灰色がかった白い、大きな、油じみた体をしている。
目のないヒキガエルに似たそれは、
巨大化したり縮んだりを繰り返しながら、鼻先の触手をうごめかせている。
▶《 SANC(0/1D8) 》

天ケ瀬 茜:CCB<=48 【SANチェック】
Cthulhu : (1D100<=48) → 62 → 失敗

天ケ瀬 茜:天ケ瀬 茜のSANを1D8(→ 4)減少(48 → 44)
えらい!

ムーン=ビーストはフルートを取り出し、その旋律で、あなたと会話をする。

ムーン=ビースト:「ようこそこのような場所まで、ニャルラトホテプ様」
ムーン=ビースト:「本日はどのような御用でしょうか?」
天ケ瀬 茜:「違うんだけれど……」とは言う 「カダスの場所を知りたい、教えてくれる?」
ムーン=ビースト:「然様ですか? 化身たるあなたは、殆どニャルラトホテプ様と言って差し支えないかと思いますが…」
ムーン=ビースト:「では、違うということで」今回は
ムーン=ビースト:「カダスですか。大いなるものの城へ向かわれるので?」
ムーン=ビーストは以下のような話をしてくれる。

-------------
47【凍てつく荒野のカダス】

 凍てつく荒野はドリームランド北部でも特に凍りついた場所である。
 この大地は永遠の夜に包まれており、時間は正常に流れない。
 ここを通る者は誰もいない。
 凍てつく荒野にある山脈の頂には、大いなるものの城がある。
 そこまでの道のりは、ムーン=ビーストが知っているため、教えてくれる。
 縞瑪瑙で作られたこの城へ向かうのは困難を極めるだろうが、手段がないとは言えない。

 探索者はもはやほとんどニャルラトホテプである。
 その力を自在に操り、シャンタク鳥を呼び出し、飛び立てばよいだろう。
-------------
▶《 夢の知識 》+1%

天ケ瀬 茜:天ケ瀬 茜の夢の知識を1増加(46 → 47)

小鳥:「チチ…」首傾げ
天ケ瀬 茜:「……」ねー シャンタク鳥だって
天ケ瀬 茜:「それは、どんなものなの。ニャルラトホテプが使うもの、なんだよね」
ムーン=ビースト:「ええ。宇宙を翔けることのできる生物です。外なる神々がよく使用していらっしゃいます」
天ケ瀬 茜:「そう、」あんまり、乗りたくないかもな
天ケ瀬 茜:「……。君たちは、ニャルラトホテプの眷属なんだよね」
天ケ瀬 茜:「ニャルラトホテプって、どんなもの」
ムーン=ビースト:「ニャルラトホテプ様、ですか。化身様であっても全てをご存知という訳ではないのですね」
ムーン=ビースト:「宇宙の総帥たる、夢見るアザトース様のご子息であり、ドリームランドの神々の守護者です」
ムーン=ビースト:「我々はニャルラトホテプ様を崇拝し、残虐な儀式を彼に捧げているのですよ。」

▶《 夢の知識 》+3%

天ケ瀬 茜:天ケ瀬 茜の夢の知識を3増加(47 → 50)

天ケ瀬 茜:「残虐な……。そういうものを好む、ってことかな」それはなし、よし
ムーン=ビースト:「きっと喜んでくださっていることでしょう!」勝手にやってます
この様子からすると、ニャルラトホテプの趣向というわけではなさそうだが……
天ケ瀬 茜:「そう、……。ありがとう、参考にするよ」逆を行くために
ムーン=ビースト:「ええ、ええ!そうなさってください」逆張りの人とはまさか思わず
天ケ瀬 茜:「うん……。じゃあ、……ええと、頑張ってね」何を? 去ろう
ムーン=ビースト:「!」
ムーン=ビースト:「ありがたきお言葉!」
ムーン=ビーストに見送られ、あなたは港を後にする…
天ケ瀬 茜:「……シャンタク鳥っていうのがいるみたいだけど、……それでないと行けない、ってわけでもなさそうだし」
天ケ瀬 茜:「君に頼んでもいいかな?」チョウドラゴン!
チョウドラゴンは頷くように首を動かし、あなたを背に乗せる。
その様子を、ムーン=ビーストがあれぇ…?といった様子で見ていた。
天ケ瀬 茜:わりぃ!
天ケ瀬 茜:「ありがとう、じゃあ……向かおう、カダスに」GO!
道のりは、自分の眷属であるムーン=ビーストから聞くことができた。
あなたはチョウドラゴンの背に乗って、カダスへ飛び立つ。







あなたは荒野の旅の果て、カダスにたどり着く。

山頂には塔がいくつもそびえていた。
星々を背景にくっきりと、その城は浮かび上がっていた。
無数の塔は果てなくそこに並び立ち、あまたの神々がそこに宿ると告げていた。

その塔のひとつに、あなたは招かれるように足を踏み入れた。
そこには金の台座もなければ、神々の姿もなかった。
あなたはそこに、累々と転がるあなた自身を見た。
あなたによく似た彼女ら、そう、彼女らは、似ているのではなく、明らかにあなた自身だった。
そこにいるのは千人に近い、平行世界のあなただった。
彼女らはぶよぶよと脈打ち流動し、何か別の姿へと変容しようとしていた。
彼女らはニャルラトホテプへと変貌しようとしている。そうあなたは気づく。
▶《 SANC(1/1D10) 》

天ケ瀬 茜:CCB<=44 【SANチェック】
Cthulhu : (1D100<=44) → 66 → 失敗

天ケ瀬 茜:天ケ瀬 茜のSANを1D10(→ 2)減少(44 → 42)
えらい!

そのなかの一人が、がくがくと震える手を、あなたへと差し出す。
平行世界のあなたの、もはやほとんど人間の形を保っていないその手は、手紙をあなたに渡してくる。

天ケ瀬 茜:「……!」受け取る 「手紙、」読む


-------------
49【平行世界の探索者からの手紙】
 
 私の意識が残っているうちに、これを書き残しておくことにするよ。
 私はもうじき、無貌の神、ニャルラトホテプへと完全に変貌する。
 たぶん、あらゆる平行世界の自分がそうなっていく。
 しかし誰かひとりでも、まだ人間であるうちにここ、カダスに
 たどり着いているなら、全ては復旧されるはずだ。
 カダスには、全てのイデアが保存されている。
 それはあらゆる平行世界に共通する「自分自身の本質」。
 大いなるものが「人間である」と認める「私」がまだひとりでも残っているならば。
 そしてそのひとりがこのカダスにたどり着くことができ、人間に戻りたいと願うならば。
 きっと全ては復元されるはずだ。
 
 大いなるものは「私」に、そのための答えを教えてくれるだろう。
 私は旅路で、大いなるものの名を、あまた得たことだろうと思う。
 ……神様に縋りたくない気持ちは、この私にだってあるけどね。
 大丈夫。その名は、君がこの世界で得た、人々との「縁」そのものだ。
 名を呼んで。
-------------


天ケ瀬 茜:「……。まだ、間に合う」 「よかった、私が、私のうちにここに来られて……」
天ケ瀬 茜:「名前、……。たくさん、教えてもらった」
天ケ瀬 茜:「セレファイスではナス=ホルタ―ス」「ムホールから帰る途中に、ロビグス」
天ケ瀬 茜:「フラニスで、カラカルを」「リンの夢の話からは、リリス」
天ケ瀬 茜:「……縁、だね。そうだ、……だから頼るよ。助けて」名を呼んだものたち!
あなたは、その名を呼ぶ。思い出の中にいる、神々を、一柱ずつ。


「我が名を呼ぶのは、エメラルドの客人か。」

姿は見えないが、力強い声が届く。
あなたはその名を知っている。旅立ちの地、あの都で出会った生き物、人、共に旅したキャラバンの記憶と共に。
異世界よりの王の統治する大国、セレファイスを守護する神。ナス=ホルタース。

「我が戦槌はセレファイスの民の為にのみ振るわれる」
「しかし、貴様はクラネスの招いた客人だ。貢物の対価に助言を施そう。」

ナス=ホルタースは、自分の内なる獏と戦う方法を教えてくれる。
《 POW*5 》もしくは《 戦闘技能 》をロールすること。
ナス=ホルタースの加護により、+20%してよい。最大100%。



「久しいな。いつぞやの旅人よ」

姿は見えないが、聞き覚えのある声が届く。
あなたはその名を知っている。辿り着いた辺鄙な港町で過ごした、長く穏やかな時間の記憶と共に。
ムホールの遥か果て、キノコの踊る宮廷で客人を迎える、菌類と病の神。ロビグス。

「なに、簡単だ。捕えてしまえばよい。かつてお前が夜の恐怖にそうしたように」

獏を捕まえるために、呪文【魂盗っ人】を使えばよいと教えてくれる。



「東よりの来訪者か。」

姿は見えないが、親しみやすい落ち着いた声が届く。
あなたはその名を知っている。覚醒の世界との境界。親しい友人達や、神秘の楽園の記憶と共に。
文明と知恵を司る炎の王・カラカルは、如何なる時も錬金術師達のよき友であった。

「以前に、フラニスの地で君を見かけた。賢い旅人だ」

獏を追い出すために呪文【暗黒の呪い】を使えばよいと教えてくれる。
呪文を知っていれば、カラカルが協力してくれるので、
ダイスロールの結果が[100]でない限り成功する。



「…まさか、私を呼ぶなんて」

姿は見えないが、静かな少女の声が届く。
あなたはその名を知っている。自分の存在しない世界の、異なる時間を過ごす人々の記憶と共に。
原初の悪魔。地球と夢の境に佇む夜の女王。リリス。

「お姉さん。私は、あなたに助言ができる」
「けれど覚えていて」
「私は影。私は裏。私は不吉。私は不幸。私は夜。私は悪。私は裏切り。」
「…リリスはそう作られた生物。リリスはそうあることを望まれた神」
「私がお姉さんに伝えられるのは、『リリスの言葉』だけ。」

少女は静かに、寂しげに笑ってそう言った。
かつて出会った音楽家の顔がよぎる。彼もまた、言葉の裏で葛藤を抱える男だった。

きっとこれで幸福になれるわどうか信じないで。半人半神のお姉さん」

《 夢見 》をロールすると良い、とリリスは助言してくれる。



天ケ瀬 茜:「……」声を聞いて 「ありがとう、それなら……。ふふ、どれもいい助言だけど」
天ケ瀬 茜:「追い出す、が一番…安全そうかな」
天ケ瀬 茜:暗黒の呪いを使います!
OK!

コスト [ 1D6正気度 ]
天ケ瀬 茜:天ケ瀬 茜のSANを1D6(→ 4)減少(42 → 38)

▶《 1d100 》

天ケ瀬 茜:1d100
Cthulhu : (1D100) → 88







あなたは自分の選択により、自分自身を取り戻した。
そして全ての自分、目の前の全ての存在が、人間へと戻っていくのに気づく。

そしてあなたは気づく。
自分はあるべき自分の形を今、選び取れる。
なぜならいまここ、未知なるカダスに漂うエーテルこそが、
あなたのイデアそのものであるからだった。

あなたはここにいる。

そしてあなたはいま、そのイデア、あなたという概念を構築する
原初であり全ての中から、選び取ることができる。
それこそが、あなたの望むべきあなた像だった。

あなたはイデアを神格化できる。そうすれば全ての過ちはいずれ忘れ去られるだろう。
人間が、あなた自身が、そう望むならば。

急速に視界が歪む。溶けて、消えて、薄れていく。
目が覚める。めくるめく感覚。
その中であなたは、自分が帰りたい場所がどこなのか、選ぶことができると気づく。
あらゆる世界線があなたの前に提示されている。どれを選ぶこともできる。
全ては違うだろう。しかし全ては同じだろう。
全て、あなた自身なのだから。


天ケ瀬 茜:「帰ろう、元の私で、元の場所へ」元の世界で生きる!

そして、あなたは選び取る。選択肢の中から、原初のそれを。
その瞬間、自分を奉る城も、荒野も世界もなにもかも、消え失せていく。














あなたは目覚める。

あなたは病院にいる。とある工場の爆発事故に巻き込まれ、発見されたのだという。
さほどの時間は過ぎていなかった。
ドリームランドで過ごしたあの長い時間はたった一瞬だったようだ。

奇跡的に怪我などはなかった。
あなたはセオドアの証言などもあり、工場からの保障のもと検査を受け、ある程度の金銭も受け取ることになる。
工場の名前は「B」、それ以上のことは知らされない。
しかしあなたは、そこがいったい何なのか、既に知っている。



あなたは望むとおりの日常に戻っていく。

けれど。

これからあなたが何を忘れても、夢はあなたを覚えている。
そしてあなたはいつも、あの未知なるカダスにいる。
イデアはあなたを覚えている。

だからいつでも、取り戻せるだろう。



あなたはそうして、帰ってきた。




おかえりなさい。あなたは、ここにいる。





            - イ デ ア ポ テ オ シ ス -